この記事は「出産エピソードでも書いてみます。① 」
「出産エピソードでも書いてみます。③ 」の続きです。
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なんだかんだ言って、時は既に夜中。
最初はそれほど痛くなかった陣痛も、耐え難い程の痛みに変わってきています。
毎日10km歩いたのに・・・
2007年安産大賞に選ばれる計画が私の中で音を立てて崩れていきます。
(何度もいいますが、そんな賞は存在しません。)
陣痛の痛みというのは個人によって違うといいますが、
私の場合は、『お腹の中に生きのいいカツオを入れている感じ』でした。
♪と~れたて、ピーチピッチ、カニ料理~♪
といわんばかりに、腹の中の赤子がビチビチ動くんですよ。
体、マジでちぎれる・・・。
あと、『お腹の中でお寺の和尚さんが鐘を鳴らしている感じ』でもありました。
ゴーン。ゴーン。と痛みが響くんですよ。ほんと。
さて・・・私の表現力が乏しいことが露呈したところで話は戻ります。
ヲタ夫の頭でモニターが隠れていたため、
お腹の赤ちゃんの心拍数が下がっていたことが発見されず、
ただただ、陣痛と戦っていたんですが、
ヲタ夫が、少し頭を動かした瞬間、
少し遠くから見ていたのりこ母がモニターの様子に気がつきます。
のりこ母「なんだか、グラフがものすごく下がっているけど大丈夫なの?」
あわてて助産婦さんがモニターの様子を戻して見ると、
心拍数が急激に落ちているのは、これで2回目だということがわかりました。
そうです。
1回目はヲタ夫が頭でガッツリ隠していたので、今回で2回目だったんです。
お腹の赤ちゃんは、既に2回も危険な状態に!!
これは大変だ!!
お医者様始め、助産婦さんも大慌てで話し合い。
で、出た結論。
医者「子宮口もまだ5cmしか開いてないし、
これはもう切った方がいいな。」
えぇ~~~~~~!
こ、ここまでがんばったのに帝王切開ですか~?!
叫び出したかったんですが、もう痛くて痛くてそんな元気もありません。
寝ながらではありますが、レントゲンを撮影し、
助産婦さんに馬乗りになられて下の毛を剃られるしで
痛みと状況の変化に対応できずに頭の中はパニック!
そんな中、研修医の若いお兄さんが来て「採血しますよー」と。
陣痛はピークに達し、痛みで震えが止まりません。
なのに、
研修医「あ、震えないでくださいねー。」
無理無理無理無理!
この痛みで止まってろって方が無理!
なんで、こんな大切なときの採血が研修医?!
私の震える腕と、研修医の震える手つきがなかなかマッチングせず
相当時間をかけて採血を終了。
「はぁー。終わった・・・。」
少しだけほっとしかけたところに、さっきの研修医が戻ってきました。
研修医「あ、のりこさん、すいません。
もう一本必要だったの忘れてました。
もう一回採らせてください。」
も~先生ってば、おっちょこちょいな・ん・だ・か・ら~ウフッ
なんて思えるわけありません!
研修医のお兄さんに対して一瞬殺意を覚えるも
これから母になる人間が、こんなことでイライラしちゃだめよね!
と、腕を差し出しました。
研修医「あ、震えないでくださいね~。」
だから、無理無理無理無理~!
っていうか、あなたの不注意で2度目の採血なのになんでそんなこと言えるんですかっ!
と、つっこみたかったですが、声を出す元気もありません。
(この研修医のお兄さんとは、その後の入院中もいろいろあり、
私の中で後々まで恨みとして残ってましたが今ブログに書いて多少すっきりしました。
フフッ書いてやったぜぃ!)
人生初の手術を受けることになり、
体のあらゆる部位を見知らぬ方々に弄繰り回され
陣痛び痛みもピークとなり、心細さで押しつぶされそうです。
私「ヲタ夫~、ヲタ夫~。」
こんなに夫の存在を必要とした時はありません。
が、いくら呼んでも返事はなく。
どこ行ってるんだよ~!
使えねえ!! ( ゚д゚)、ペッ
最後まで使えねえ!! ヽ(`Д´)ノ
(ちなみにこの時、ヲタ夫は手術の説明を担当医師から受けていたそうです。
それなら仕方ないか・・・仕方ないんだけど・・・いて欲しかった。)
その後、ストレッチャーに載せられ、手術室へ移動。
麻酔科の先生が背中から麻酔を入れていきます。
麻酔医「あー。震えないでね~。」
むーりー!
だから震えないでなんて無理無理無理!
何度もやり直しの注射を受けながらやっと麻酔が効いてきました。
麻酔は局部麻酔なので、意識はしっかりある状態です。
気がつくと、数人のお医者様に囲まれ、いよいよ手術。
医者「オペを始めます。」
あーなんか医療ドラマっぽい!すごくドラマっぽいよ!
麻酔により陣痛から解き放たれた状態なので、余裕が出てきた私。
次はどうなるのかな~なんて見ていたら
医者「あ、子宮口が8cm開いてるね。
これ、切らなくてもいいんじゃないの?ハハハ。」
って、えぇー!?
これから手術始まるのに、そんなこと言わないでよっ!
もう、ここで産んでやる~!
なんて思っても、お腹の赤ちゃんが弱っている状態なわけだし、
ともかく、そっちが心配なわけで。
とにかく無事に生まれてきてね!
祈るような気持ちで一杯です。
が・・・そんな中、
どこからともなくお肉が焼けるいいにおいがぷ~んとしてきました。
あぁ・・・こんな夜中だもんね。
きっと看護婦さんがお腹が減ったから焼肉弁当でも食べているんだわ。
なんて思っていたら、お腹の部分が妙に暖かい。
え?まさかこの匂い・・・私のお腹の肉が焼けている匂い!?
電気メスで腹肉を焼き切ってる匂いですか・・・?
((;゚Д゚)ガクガクブルブル
そして、切り終わった次の瞬間!
「オギャー・・・オギャーオギャー!」
手術室に赤ちゃんの元気な鳴き声が響きました。
医者「あはは。元気だったね。
普通は取り出す時に泣くのに、
お腹を切っただけで泣いたよ。
全然弱ってなかったよ。
こりゃ、やっぱり切らなくてもよかったな。」
赤ちゃんが無事生まれたことはうれしかったですけども・・・先生!
手術中の患者に対して「切らなくても良かったな」はないでしょーよ!
その後、手術台で寝ている状態で、
生まれたばかりの赤ちゃんを見せてもらいましたが、
極度の近視のため、まったく見えず。
(手術中はメガネは外されます。)
で、以前書いた『ヲタ夫 息子を愛せるか 』に続くわけですが、
手術終了後、ストレッチャーで病室に戻るとき、先生がポツリと言いました。
医者「やっぱり・・・頭が大きかったな。
もうちょっと小さければ、普通に産めたのにね。」
やっぱり、ヲタ夫譲りの頭の大きさに問題ありでしたか・・・。
夫と赤ちゃん、二人の頭の大きさに振り回された出産でした。
おしまい。
思いのほか長編になってしまいました。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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思いのほか長くなってしまったので、これ以上引き伸ばすことも憚られ、
今回で無理やり終わらせました。
無事に生まれたから笑い話として書けるんですよね。
お医者様はじめ、助産婦さん看護婦さんには大変お世話になりました。
やっぱり毎日更新は疲れますね・・・。
またのんびりペースに戻りたいと思います。
あー次は何書こう。