More Than Words

「ことば」を綴っていきます。
本や、会話や、日常のちょっとしたことからすくい上げて、とどめておきたい。

それは生活を彩る花。

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アーモンド入りチョコレートのワルツ

昼休み、まだ会社に戻るのは早くて、でもどこかでお茶を飲むほど時間がないほんの合間に、本屋に立ち寄りました。
そこで出逢ったのがこの本。

森 絵都
アーモンド入りチョコレートのワルツ


クラシックのピアノ曲3曲と絡み合わせた短編です。


私も、少し疲れていたのでしょう。
このところ忙しくて、心を休めることを忘れていました。

決して、優しいだけの話ではありません。だけど、どこか調和していて、現実味があるお話です。
心にたまった重苦しい何かを、ふうっと吐き出したくなるような。

何気なく手に取った一冊、だけど心が何を求めているか、無意識は知っていたのかもしれません。

コイはヒトを変える

妹分からのメールに、溜息をついた。

「ロマンチックな展開を望んでたけど、ヤツでは無理ってことで、半ば脅してプロポーズさせました!」

……だから?
正直、途中の言葉いらない。彼氏も知ってますが、それ周知にされたら可哀相。
そして昨日のメール。五月に会う約束が延び延びになり。

「七月も、イベントと入社試験と友達の結婚式とその買い物と、親への挨拶×2とで週末潰れちゃいました!」

別にそんなスケジュール全部教えてくれなくていいし。いろいろ重なってどうしても無理になった、でいいじゃない。どうしても外せない用件で、といえば馬鹿じゃあるまいし察するよ。
それともそんなに結婚を主張したいの?自慢したい?
無機質の文字の隙間から滲み出てくる愉悦感に、昔と変わってしまった彼女を感じて、自然溜息になるのでした。

もう、どうか消えて欲しい

「彼」と距離を置いていた。

友達。

人を振ったくせに、友達を止めようとはしなかった、彼。

そのまま何年も、気持ちを引きずってしまっていた。


泣けるほど熱い想いがあったわけじゃない。

ただ、一緒にいればなんとなく居心地がよくて、話があって、自分を偽らないでいれて。

だから、止められずにいた。


きっかけがあって、携帯メールのやりとりも止めて。

なんとなく気持ちが離れて、彼を思い出すこともなくなってきたときに、

どうして、

突然連絡をよこすの?


「さっき、うちのとこの駅にいなかった?」


いるわけがない。

あっちの駅とこっちの駅は、2時間近く離れている。

しかも夜中に、

私がいるわけがない。


もうやめて。

私の気持ちを乱さないで。

消えて。


そっとしておいて。


こころのたからもの

こころの奥底に、ひっそりとたからもの。


とおりすぎた出逢い、喜びをもたらすことばの数々。
望外の幸せ、天上の歌。
出逢いの喜び。

その反面で、

悔しさに泣いて、言葉の毒に苦しめられ、
それでも手放せずに来た。

攪拌と凝結。

自分の中の不純物を取り出せば、ただ一つのベクトルが残る。
それを今日は愛おしむ。

こころの奥底にあるたからもの。
もう一人の、自分。

ランチ財布

仕事柄、そして会社柄、普段の昼食はほとんど外食です。

お昼休みは、個人の作業ペースに合わせて取っていい(つまり自由)ということと、休憩室がないために買ってきて食べる場合は自席となるからです。

ところが、普段のお財布と一緒にしていると際限なく使ってしまうというか、メリハリがつきません。本来なら、家計簿を付けるべきなんでしょうが、ずぼらでめんどくさがりなので三日坊主になるのが関の山。その自覚があったので、「ランチ財布」として、お財布を別に持つことにしました。

月額2万円。

多いかな?

でも、社食があるわけじゃないし、会社のご近所はランチで1000円はしてしまうお店が多いので、これくらいが妥当でしょう、と。あまり無理な設定をしても続かないし。


そんなこんなで、ランチ財布をはじめて1ヶ月がすぎました。
期間は給料日翌日~給料日まで。6月は祝祭日がなかったので、結構長いです。

期  間:5月26日~6月24日
出勤日数:22日
上限金額:2万円
一日平均:約909円

さて、結果は、844円黒字!! でした。

やってみるものですね。7月は出勤日数20日なので、ちょっと楽ですし、浮いたお金は貯金しようと思ってます。とりあえず今月は500円玉があるから、それを500円玉貯金箱に入れちゃおうかな。

そんな風にすれば、結構楽しいですよね?
週明けからまたがんばろう。


ワーズワース

ワーズワースの詩に出逢ったのは、あらゆることに悩んでいた頃だった。

「インナーチャイルド」という本の冒頭に出てくる「頌 ~幼時の回想に由来する不死の暗示~」
(彌生書房刊「世界の詩37 ワーズワース詩集」 前川俊一訳)

かつて牧場も、森も、流れも、
大地とあらゆる世の常の眺めが
私には
天上の光をまとい、
夢の輝きと鮮やかさにつつまれて見えるときがあった。
しかし今は昔のようではなくなった──
夜であれ、昼間であれ、
いずこに目をむけようと、
私がかつて見たものを、今はもう目にし得ない。



不意にこみ上げてくるものがあった。
何か大切なものを失ったような、それでいて何かから解放されたような気持ちになった。

日々、何かを失い、何かを得る。

それはひどく世俗的であったり、はたまた金銭には換えられない揺れ動く感情であったりする。


詩は、私にとって栄養ではない。
おそらくは、キーワードなのだろう。

きっかけ。

契機。

心の中で形にならない感情を、気づかせてくれるのだ。