モスクワ | 大学受験の世界史のフォーラム ― 東大・一橋・外語大・早慶など大学入試の世界史のために ―

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モスクワ 地図

モスクワは,ロシア中西部の都市で,ロシア帝国やソ連の首都となり,現在のロシアの首都にもなっている都市である。

成立と発展

モスクワは,現在のロシアの中西部,東ヨーロッパ平原の中央に位置し,ヴォルガ川へとつながるモスクワ川が通り,周囲を森林に囲まれた,交通や防衛に優れた地であった。ロシアでは,9世紀にキエフ公国が成立した後,12世紀頃から国家の分裂が進み,また13世紀からはモンゴルのキプチャク・ハン国の支配を受けるようになるが,そうしたなかからモスクワが台頭していく。


12世紀半ばに現地の諸侯によって砦が築かれてから,モスクワはそれを中心として発展していき,13世紀後半にはモスクワ公国が成立してその首都となった。以後,モスクワ公国は大公の地位を確保してモスクワ大公国に昇格し,ロシア正教会を保護下に置くなど,巧みな政治によって勢力を急速に拡大していき,都のモスクワもまた発展していった。


ロシア帝国時代

15世紀後半に,モスクワ大公のイヴァン3世によってロシアの大部分の統一とモンゴルからの独立が実現されてロシア帝国が成立すると,モスクワはその帝国の首都となった。モスクワはツァーリが君臨する帝国の中心となり,総主教座が置かれてロシア正教会の中心にもなり,ローマ・コンスタンティノープルを継承する「第3のローマ」であるという理論も唱えられるなど権威を高めた。


こうして,モスクワでは,ロシア帝国の歴代のツァーリによって政治が行われるようになり,商工業が発展し,宮殿であるクレムリンやそれに面した赤の広場も整備されていった。18世紀初めにはピョートル1世によって首都はペテルブルクへと移されたが,それでもモスクワは経済や文化の中心でありつづけ,18世紀半ばにはロシア初の大学であるモスクワ大学が成立され,19世紀には工業が大きく発達するなど,ペテルブルクと並ぶロシアの中心都市であった。


ソ連時代から現在

第一次世界大戦中の1917年にロシア革命が起こってロシア帝国が崩壊し,ソ連が成立すると,モスクワはペテルブルクにかわって再び首都となった。広大なソ連,そして世界の社会主義陣営の中心となり,レーニンスターリンらを指導者とする共産党による政治が行われ,また社会主義モデルによって重化学工業の発展が進められた。


1991年にソ連が崩壊した後,モスクワはひきつづきロシア連邦の首都となり,政治の中心であるとともに工業や文化も高度に発達しており,現在のモスクワは,ロシア最大,そしてヨーロッパ最大級の都市となっている。