「ガイ・フォークス事件」(「火薬陰謀事件」)[イギリス] | 大学受験の世界史のフォーラム ― 東大・一橋・外語大・早慶など大学入試の世界史のために ―

大学受験の世界史のフォーラム ― 東大・一橋・外語大・早慶など大学入試の世界史のために ―

東大・一橋・外語大・早慶など難関校を中心とする大学受験の世界史の対策・学習を支援するためのサイトです。

ガイ・フォークス事件

<発見されて捕えられるガイ・フォークス>

ガイ・フォークス事件」(「火薬陰謀事件」)は,1605年11月にイギリスで発覚した,ガイ・フォークスらカトリック教徒による,国王や議員を爆殺することを狙った陰謀事件である。

イギリスの宗教改革とカトリックの抑圧

イギリスでは,16世紀にテューダー朝ヘンリ8世によって,イギリス国教会が設立され,ローマ・カトリック教会からは分離することになった。その後,メアリ1世の時代にはカトリックの復活がはかられたが,エリザベス1世の時代に国教会は確立された。この結果,イギリスではカトリック教徒は弾圧されることになった。

17世紀初めにはエリザベスの死によってテューダー朝が断絶し,かわってステュアート朝が成立するが,新たなイングランド国王となったジェームズ1世は,国教会を維持してカトリックに対する抑圧を継続した。このような抑圧を受けて,イングランドのカトリック教徒たちは,国王や議会に対して激しい反感を募らせていった。

火薬陰謀事件

こうしたなかで,あるカトリックの過激派の勢力は,国王や議員たちを殺害する陰謀を企んだ。1605年,彼らは,議会の開会式にあわせてウェストミンスター宮殿内の議事堂を爆破して国王や議員を殺害することをはかり,熱心なカトリック教徒であったガイ・フォークスという男が実行役となった。

しかし,議会の開会式が行われる同年11月5日,仕掛けられていた爆薬が発見されて,フォークスは捕えられた。これによって陰謀が発覚し,フォークスたちは処刑されることになった。こうして,国王たちを爆殺する計画は未遂に終わった。この事件は,「ガイ・フォークス事件」(「火薬陰謀事件」)と呼ばれる。

その後,イギリスでは,この事件の起こった11月5日は「ガイ・フォークス・デー」(「ガイ・フォークス・ナイト」と呼ばれる記念日になった。現在でも,この「ガイ・フォークス・デー」には,火薬陰謀事件にちなんだ,花火やたき火などの行事が行われている。