インドの襲撃事件で多数の犠牲者 桜井ジャーナル より | ワールドフォーラム・レポート

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2008/12/01

インドの襲撃事件で多数の犠牲者

11月26日、インド西部のムンバイでタージ・マハル・パレス・ホテルやユダヤ教施設などが襲撃され、約200名が殺害されたようだ。襲った集団や目的は明確でないが、欧米やイスラエルと関係の深い施設が襲撃されている。

インドは核問題でアメリカから特別扱いを受けている国のひとつで、ジョージ・W・ブッシュ政権は同国と原子力協定を結んでいる。
核開発を理由に攻撃の脅しを受けているイラン、怪しげな証拠で実際に爆撃されたシリアなどとは違うのだ。

ところで、インドはアメリカだけでなくイスラエルとの関係も緊密である。年間、約3万人のイスラエル人がインドを訪れているようだが、インドが武器をイスラエルから購入していることも知られている。
年間の取引高は10億ドルに達するという。

イスラエルの基幹産業は軍需。1980年代に発覚した「イラン・コントラ事件」ではイスラエルと中米との関係が明らかになったが、最近ではグルジアへの兵器輸出が話題になったばかり。グルジアの場合、兵士の訓練も行っていた。そして今回、インドとの関係が注目されることになった。

勿論、人殺しはとんでもないことであり、許されない行為だが、残念ながら日々、多くの人が戦闘の犠牲になっていることも事実だ。

アメリカが占領しているイラクでは、2006年7月の時点で65万人以上のイラク人が殺害されたとする統計学的手法に基づく推計があり、現段階では犠牲者数は100万人程度に達しているとも言われている。「大量破壊兵器」があるという嘘を撒き散らして先制攻撃したアメリカの戦争責任を忘れてはならない。インドでの殺戮と同じように、イラクでの殺戮も決して許してはならない。

パレスチナでも殺戮は続いている。イスラエル政府は「テロとの戦争」を行っていると言いたいだろうが、そもそも人の住んでいる場所に「国家」を勝手に作り、「テロ」で先住民を殺したり追い出し、その後も軍事力で領土を拡大したままだ。こうした経過を考えれば、アラブ系住民は抵抗運動を続けていると言うべきだろう。

ところで、ここにきてグルジアの特使だったエロシ・キツマリシビリは議会の委員会で証言、グルジア軍が先制攻撃したことを認めた。

もっとも、タイムズ紙など西側のメディアも最初からグルジア軍の奇襲攻撃から戦闘が始まったと報道しているわけで、驚くような内容とは言えないが、グルジア政府の嘘も限界に達したということだろう。西ヨーロッパの政府がグルジアと距離を置いていたのも当然なのだ。

こうした中、恥をかいたのはアメリカのFOXニューズ。現地から帰国したアメリカ人少女の証言がグルジア政府にとって不都合な内容だったため、途中で話を遮って事実を封印しようとしたのだが、その様子がインターネットでも流されてしまったのだ。日本のマスコミもFOXと大差はなかった。

ということは、インドの襲撃事件も外国から情報を入手する必要があるということなのだろう。