長い話だ | worldendのブログ

worldendのブログ

インドアでロウな生活

「因縁の国境」


良い天気なので、ホテルの自転車を借りて散歩に行きました。

こっちのスタッフは、連休だからと故郷に帰ってしまったので、

一人ぶらぶらサイクリングしようと思い立ったのです。

3時間、自転車をレンタルしました。

1時間ほどぶらぶら田舎の風景と、

気さくに話しかけてくれる地元の方達と、

30℃を超える昼下がりに、時折吹く心地よい風。

これこそサイクリング!と堪能しました。


一度、ホテルに帰ったのですが、まだ1時間ほど時間が残っていたので、

今度は、ホテルの隣の道を進むことにしました。

国境が近いのは知っていたのですが、

オフィシャルな関門以外を知らないことが災いでした。

ホテルから5-10分ほど、距離にして1㎞ほどですが、

一人の女性警官?と3人くらいの男達が、

急に「STOP!」と声をかけてきました。

警察と思しきおばさんは、「隣の国に何の用だ?」と聞くので、

「ただサイクリングしてるでけで、国境周辺なら帰る」と答えると、

周りの男たちが、「通行料おいていけ!」と絡んできました。

厳密にいうと、ちゃんと立ち止まったので通過していないのですが・・

いわゆる山賊ですね。(いいえ、ただのたちの悪い地元民です。)

ほかの地元民は自由に行き来しているので、

「外国人だ!金持ちだから、ふんだくれ」というノリでしょうか。

男たちは、「隣国でこの自転車を売るんだろう」とか、意味が分かりません。

ただ脅して、お金をとろうという目論見なのでしょうが・・

仕方がないので、警察と思しきおばさんに、「どうしたらいいんだ?」と聞くと、

「パスポート見せろ」とのこと。

「パスポートはホテルにおいてあるから、コピーでいいか」

とコピーを差し出しました。

一応、きちんとしたパスポートのコピーなのですが、

「本物じゃないと意味がない」

警察 「何しに隣国に行くんだ?商売か?」と男たちと似たようなことを言うので、

私 「見ての通り、ただサイクリングしているだけだ。」

警察 「何のつもりでここを通るのだ?」

私 「ただ散歩しているだけだから、もう帰る。」

警察 「隣国に何の用だ?」

となかなか普通の会話をしてくれません。


男たちに至っては、「100ドルおいてけ」と明らかに強盗のようなことを言うので、

私 「散歩しているだけで、金なんか持ってない。」といって、

ポケットの中を見せました。

日本円で300-400円くらいしかないので。

男たち 「これはコーヒー代だろ?そんなんじゃ話にならない。」

とかぐちゃぐちゃ続けます。

男の一人は 「荷物を見せろ」 と因縁をつけてきたので、仕方なく見せました。

長そでのシャツと日本語の小説1冊・・  のみ。

私 「じゃあ帰る」 と言って、引き返そうとしますが、許してくれません。

男 「怪しいから、事務所へ来い」 といい

街道から離れた、どう見ても怪しい小屋を指さします。

私は、「話はここでできるから、ここで話そう」と固辞しました。


そうこうしているうちに、周りに人だかりが。

気遣ってくれる地元民に、「ホテルが近いので、ホテルに連絡してくれ」

とお願いしました。

西欧人が滞在するので、地元では有名なホテルです。

すぐに電話してくれたのですが、困った顔をしています。

どうしたの?マネージャー出た?と聞くと、

「彼は金持ちだから、助けに行く必要はない。」と名言されたそうで。

絶句です。

それは、100ドルを払え ということでしょうか?

そういう意味にしか取れないですよね。

強盗の仲間じゃないですか。

ホテルに対する信用を決定的に失いました。

警官おばさんは、強盗まがいの言動には、一切ノータッチで、

私を執拗に追求します。 

おばさん 「お前は何の目的で隣国へ行くのか?」の一辺倒。

私は、「ここで働いている日本人だ。

じゃあ、こっちの職場のスタッフを呼ぶから電話を使わせてくれ。」

とお願いすると、

男達が、「大使館に連絡するつもりだぞ。悪い奴だ。」

わめき散らします。

大使館に連絡したらまずいのでしょうか?という疑問すら生じません。

まずいから、連絡してほしくないのです。

私は、まだ昼ですし、本当に些事なので、そこまでは考えていませんでした。

でも、現地スタッフに電話したほうがいいだろうなと決心しました。

男たちの言いがかりを振り切り、なんとか電話をかけ、

現地スタッフに来てもらうことにしました。


到着を待つ間にも、人だかりは増すばかり。

好奇の視線と、同情的な視線、敵ばかりではないなと少し心強くなります。

あまりの人だかりに、地元の人が、

イミグレーションオフィスのスタッフを呼んできてくれました。

到着した彼は、シャツに綿パンというラフな格好なので、

私は半信半疑だったのですが・・

ラフな男「イミグレーションオフィスが近いから、そこで話そう。」との申し出。

信用できない私は、「スタッフが来るまで、待たせてくれ。」

ラフ男 「この場所はわかりにくいから、オフィスで待ったほうがいい。」

なるほど、たしかに地元民しかわからないであろう細道なので、

いざというときは電話もあるし、と男に従って移動することにしました。

歩いて5分ほどで、到着。

こんなにオフィシャルなゲートの近くにいたのか、と驚きました。

結局、ラフな格好の男は、本当にイミグレのスタッフでした。

無事にオフィスに着き、

ラフ男 「パスポートを持っているか?」 と聞くので、

私 「ホテルにある。近いから取りに行かせてくれ。」 とお願いしたところ、

こころよく許してくれました。


こういう時に、ばっくれないのが自分の愚かさでもあり、

良いところでもあると思うのですが。

ちゃんとホテルに帰って、再度、自転車で国境へ。

といっても10分と経たずに到着です。

ただ、パスポートをチェックしただけで無罪放免、釈放となりました。

普通の国境を超えるのに必要なのは、パスポートのみです。

お金が必要な場所は、疑ったほうがいいです。

もちろん、ビザの代金は別ですが。


ちょうど解放されたタイミングで、現地スタッフが車で到着しました。

「I 'm sorry, very bad habit」 

と我が事のように、地元民の横暴に憤ってくれました。

彼らからも、イミグレのスタッフに

「彼は我々と一緒に働いている確かな人物だ。

オフィスに連れてきてくれてありがとう。」 と話してくれました。

私は、ここには信用できる人がいる!と感動しました。

ホテルの件といい、ちょっと人間不信になりそうでしたので。

でも、そのホテルに帰るという矛盾。


ちょうど、故郷に帰る準備をして、車を出したところだったようです。

グッドタイミングでした。

近いうちに、滞在先を変えることにして、心強き現地スタッフを見送りました。

なかなかこういう田舎には、ホテルなんてないんですけどね。

まあ困ったら、首都に戻ります。

そこから、電話とメールでコンタクトをとっていけば、作業に差し支えはないので。

ここまで仕事を進められたのは、スタッフの頑張りなので、本当に感謝です。


因縁の国境。

私を試す洗礼。

まあ、地元民と一緒に行動したら良かっただけの話ですが。

どの地元民が信用できるかというのが、また難しい話です。