140425
ホーチミンを離れ、ダナンに列車で到着し、それからバスでフエへと移動。僕はベトナム最後の王朝があった街へとやって来たのだ。
ベトナムのバイクタクシーの勧誘は激しい。タイやカンボジアでは「歩くからいらない」と言えばなんとかやり過ごせたけれど、ベトナムは違った。「いらないよ」と言っても「ちょっと待って、これを見て」と日本語で言ってバイクのシートの下の荷物入れから今までの顧客からのメッセージが書き込まれたノートを見せてくる。「この人なら安全!運転も丁寧だし、行きたいといったところに連れていってくれます」と書かれた日本人旅行客のメッセージ。僕も一度、「なるほど。本当に騙されないのか試しに乗ってやるか」と思いホーチミンで一度乗車したのだけれど、案の定ボッタクってきた。金額は特別書かないけれど、結構精神的に参ってしまうような金額だった。
フエでも状況は同じ。バスを下車すると、同じ手段でバイタクの運転手が声を掛けてくる。もう勘弁してよ、と思った。けれどフエでの世界遺産であるいくつもの帝廟(ていびょう、天子の霊が祭ってある建物)を周るためには絶対にバイタクに乗らなければいけないのは明白だったし、それと同時に、このままボッタクられた印象だけが残るとベトナムが嫌いになってしまうと僕は考えて、ドライバーと交渉をする。安い宿にとりあえず連れて行ってほしいことと、それで僕が満足したならば明日帝廟を回ってほしいということ。値段交渉を乗車前にこなして、連れていってもらった宿も良かった。「もう一度だけ、ドライバーを信じてみるか」と思って翌日のフエの帝廟周りを200,000Dで依頼した。
時間通りにドライバーが宿にやって来て、フエの観光スポット巡りが始まった。最初に訪れたのがカイディン帝廟。ここでカイディン帝廟とミンマン帝廟、そして阮朝王宮に入場できる回数券を180,000Dで購入。
カイディン帝は1916年から1925年に即位していた阮朝12代皇帝で、当時ベトナムはフランスに統治されており、その中で西洋文化を受け入れた皇帝であったそう。
広い階段を登り、カイディン帝廟訪問。最初に左右に並んだ石像が目に飛び込んできた。もう少し奥へ進む。コンクリートで作られた帝廟の中は美しく装飾されて、中央には金色のカイディン帝の像が設置されていた。陶器の欠片で作られたモザイク装飾はバンコクのワット・アルンで見かけたものに近い印象を感じる。
次に訪れたのがミンマン帝廟。ミンマン帝は1820年から1841年に即位した阮朝2代皇帝。この帝廟は1840年から1843年にかけて建設されて、カイディン帝廟よりもずっと広く、敷地は28ヘクタール。敷地内には大きな池があり、それに囲まれた最深部にはミンマン帝のお墓がある。建物の多くが中国風で、カイディン帝廟と違った印象を受けた。敷地内には多く木の下にベンチなどが設置されており、そこでゆっくりするも良し。随分と敷地が広かったので、のんびりと歩いて見まわることが出来る。
ミンマン帝廟の後には途中でベトナム戦争時の米軍とベトナム共和国軍によって使用されたトーチカに寄ってもらった。フエはベトナムの中部に位置していることもあり、解放軍と米軍・ベトナム共和国軍が激しい戦闘を繰り広げた場所でもある。フエ市の真ん中を流れるパフューム川が見下ろせる丘で、そこからの景色は今はとても穏やかで、疲れを忘れさせる眺めだった。
パフューム川も見下ろしてのんびりとした後に訪れたのが、絵葉書や扇子によく描かれているフエの象徴的な建物であるティエンムー寺へ。8角形7層の塔が最初にあり、表面に書かれた漢字を見ると中国の文化を感じ取ることができた。その奥には釈迦が祀られたダイフン寺がある。ティエンムー寺は入場無料なので、回数券はここでは使わない。
途中バイタクの運転手のベトさんと昼食を挟んで、最後に阮朝王宮へ。1804年に建築が始まって、ミンマン帝が即位していた1833年に完成。600m四方の敷地の中には150程の建物があったらしいが、今は自然災害やベトナム戦争の影響で多くの建物が破壊されて、瓦礫が散らばる場所も多く見られる。それでも敷地内の建物の屋根は美しい黄色をしていて、それを見ていると昔にはここにもっと多くの建物があって、王朝の中心になっていたのだな、と思ったのであった。今も復元途中の建物も多く、また王朝に関する資料も多く展示されている。
バイクの運転手に疲れただろうから、ビールを飲んでマッサージに連れていってあげるよ、と言われたけれど随分と疲れていたので一緒にビールを3本だけ飲んで、宿に送ってもらいフエの帝廟巡りの一日が終わった。
カンボジアの時同様、バイタクのドライバーと1日共に過ごすというのは、なかなか楽しいもの。ローカルのレストランに連れていってもらった時の春巻きは、本当に絶品だった。彼に10000Dのチップを含めた2100000Dを渡して、宿で随分と早い時間に眠りについたのであった。
3ヶ所を回れる回数券。
カイディン帝廟の入口から。
カイディン帝が祀られている建物。装飾がとても綺麗だった。
陶器を使った装飾。
ミンマン帝廟入口。なかなか味のある門。
ミンマン帝廟の中のスンマン寺。敷地内には他にも多くの建物がある。
ジャックフルーツの木。
途中でノンラー(ベトナムの帽子)を制作している場所があって、寄ってもらった。フエはノンラーの生産でも有名で、葉の間に切り絵を入れて模様が浮かび上がるようになっている。
ベトナム戦争時のトーチカ。
ティエンムー寺にて。この塔は先ほどのノンラーにも描かれていた。
綺麗な芝生と、対象に配置された木々。ティエンムー寺。
途中でランチ。美味しかった!2人で70000D。
旧市街へと続く道。ここから王宮へと向かう。
阮朝王宮にて。圧倒的な広さ!
当時の町並みの模型や
再現映像も上映されていた。
1日お世話になりました!ベトさん、ありがとう!