フリーランスなどとして新規開業することは、
実際に自由を獲得することにつながるのでしょうか。

人員整理や給与減少、転籍・転勤など何かと大変そうなニュースが多い
サラリーマンより、魅力的なものでしょうか。



2009年度の「新規開業実態調査(特別調査)」によると、
新規開業者の約7割が「開業前に比べて開業後のワークライフバランスが改善した」
と回答しているそうです。



起業とか個人事業主というと、
(例え投資・融資を受けて大きな金銭的リスクをとったものでなくとも)

① 「休みもなく働き続け、頭を下げ、いつ仕事がなくなるかわからない中で、
割に合わない仕事をする」

というイメージと

② 「いつ働くかは自分が決めて、自分の好きな仕事を、好きな人として、実力次第で高収入」

という相反するイメージが

(時代によって構成比を変えながら)並行して存在しています。





でも実際のところはどうなのかなかなかわかりません。それは、以下のような違いがあり、
自分の状況や方向性と、自分が知っている情報を合致させて考えられないからかもしれません。



1)少ないサンプルしかなく偏りがある情報で判断せざるを得ない
(知り合いや、成功本)

2)状況が違う(経済的ストック、配偶者や親の収入、起業前からの顧客基盤)

3)業界が違う
(プログラマーとしてフリーランス目指すのと、海外進出コンサルとしては、必要なものが違う)



そういった背景もあり、
経済的にある程度余裕があるとか、夫(妻)はサラリーマン/公務員で安定収入あるとか、
親や知り合いのコネなどで顧客基盤や信頼がある程度あるとか
そういったかなり有利な条件で成功している人もおり、そういった方が成功本など書いていると、
少し白けてしまうということもあるでしょう。

それでも、こういった調査結果は、勿論完全ではないですが、
ある程度有意に、フリーランスが一つの生き方だと思える材料になると思います。

大企業のサラリーマンを経験したうえで、人事コンサルみたいな仕事をしていると、
仕事自体がフリーランスの要素も強い
(特にアナリストクラスでなく、ブランディング・営業まで担う立場だと)ので、
フリーの世界の大変さ、サラリーマンがなんだかんだいって恵まれていることなどはある程度わかっているつもりです。

それでも、サラリーマンの潜在的に抱えるリスクを考え、
また、サラリーマンであっても仕事をもらい、価値を提供し、報酬ももらうという
プロとしても側面を考えると、常にフリーランスという生き方は他人事ではないと思います。

ダイバーシティ。
新卒者と内定者、5人に1人が「不況だから渋々入社」と考えているという調査結果が、
シェイクさんから公開されていました。

第一希望ではない会社の内定を渋々受諾した学生が、
不景気の影響で例年より多かったのではないかと分析してます。

企業は、採るリスクが大きければ採らないという決定をしやすいですが、
学生個人は、多くがどこかしらに入社しなきゃというスタンスですから、
意欲の不均衡は起きやすいでしょうね。

採用コンサルや人事コンサルが使いたがりそうなデータでコメントしにくいですが、
確かにこう密かに思っている新人を組織に内包したままにするのは
危ないですね。採用時、或いは採用した後のフォローは必須でしょう。

一方で、5人に4人は入った企業に迷いはないってことはそれはそれですごいこと。
もちろん、今後本格的に働き出して何年か経てば状況は異なってくるかもしれませんが、
内定者及び入社数カ月の時点でそういう想いの新人が8割いるのは採用が健全に機能しているということなのかもしれません。

このテーマは分析しだすときりないんですがね。
ただ、組織論などにもつながる大事なテーマ。
また折をみて触れたいと思います。
教育心理学の分野などで、「ピグマリオン効果」
という言葉がよく使われます。

ウィキペディアの定義では
「教師 の期待によって、学習者 の成績 が向上すること」

まぁ、よく「この子は褒めて伸びる子」みたいな
言い方をしますが、(厳密に言うと違いますが、感覚的には)そんなイメージです。

人間、期待されていないと(期待されていると感じないと)、
行動したり、成長したり、集中したりといった変化が生まれにくくなるという
ことを実証しましたという話です。
有名な心理的行動なので、聞いたことがある人、多いのではないでしょうか?

また、マザーテレサもこう言っています。
「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。
だれからも自分は必要とされていないと感じることです。」

周りの期待/プレッシャーに押しつぶれるという話がよくありますが、
期待されない、必要とされない状態では、何かをしようと言う意志はなかなか保てないでしょう。

組織開発などでも、期待の格差が、成果や成長の格差を生み、
また格差が格差を生む、再生産の構造も根深かったりすることが多いです。

また、
「MBO(目標管理)などで、個々人に主体的に目標設定させつつ、周りの期待を伝えていく、
それが期待をその人に伝えることであり、だからパフォーマンスが上がるべきだ。」
そんな話になったこともあります

しかし、ここでいう期待というのは、組織から与えられるこの種の目標とは
違う面もあります(無論、重なる部分もあるのですが)。
その違いを考慮した施策は比較的成功したりしています。

ただ、一歩間違うと、逆効果。
我々コンサルタントとしても慎重になります。
「期待」って一言でいうと簡単だけど、えらい深いな~。


※ちなみにピグマリオン効果は、期待される側というより、
期待されていると言われた集団に対する第三者の行動変容という
側面がありますので、厳密にいうとピグマリオン効果を引き合いに出す
テーマではないかもしれませんが、密接に関係しています。