組織開発コンサルティングや、研修の仕事は勿論のこと、
経営コンサルティングの仕事でも、
「トレーナーのトレーニング」
を請け負うことが多いです。

トレーニングを行う担当者を育てるということですね。
それもそのはず、組織を変えていこうと思えば、
コンサルタントがメンバー一人一人に働きかけ続ける
なんて無理で、なにより組織が自力で変わる力の育成につながらないです。
だから現場なりで、メンバーを育てていく現場リーダーなりを育成し
間接的に、組織全体に働きかけ、組織を変える支援をさせていただくのです。

これ、教育の現場でもそうで、
「教師の育成」って最重要なテーマのひとつ。
勿論、地域や親の育てる力、子供が自ら育つ力という別の論点はあるかもですが、
いずれにせよ、「教師の育成」の如何がその国の教育水準、
人、一人一人の生きる力に大きな影響力をもつのは間違いないでしょう。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100105-OYT8T00237.htm
なので、民主党の教員養成6年制構想や、上記の記事のように
「教師の育成」を重要な課題としていることには共感を持ちます。

ただ、「だからもっと長い時間をかけましょう!」というのには
少し違和感を持ちます。
先に触れた組織開発コンサルティングや研修での「トレーナーのトレーニング」も
2,3時間やってすべてが解決するわけでは勿論ありません。
ただ、「継続的に行う教育」の必要性はともかく、連続で「長い時間行う教育」は
(行っている暇もありませんが)行う意味も薄いと思います。
大学時代、教職の授業をいくつかとりました。そのうちいくつかの授業は
実践的で有意義でした。ただ、それを長く多くやって
今教育が抱える問題を少しでも解決できるような教師の育成につながるかは疑問です。
「大事→長い時間をかける」 から離れた議論をもっとしてもいいのではと思います。
特に教師の育成という意味では大学に長くいることがマイナスになる面がないとも言い切れないと思います。

日経ビジネスで、社内塾の特集が組まれていました。


興味深いポイントはいくつかありましたが、


自分が改めて自分に対して「忘れちゃいけないな」と思ったことは次の2点です。




①現場を離れて集合研修を行う意味


②現実を突き付ける効果




①は基本中の基本であることと、


人間が仕事において有意な成長を遂げるのは、


一番は現場であり、ラインのOJTであるという強い意見に押され、


忘れがちなポイントです。




上のような現場重視の論点は間違いないにしても、


強制的に、一時的に現場から引き離して、別の空間で別の思考スイッチにすることは


自分の事業会社でのサラリーマン時代を思い起こしても、教育をする側になった経験からも


非常に重要なことだと思います。




②は、社内塾の成功の大きな秘訣としてアクションラーニングの文脈で


触れられていました。




これも基本の基本ですが、基本すぎてふとした瞬間にここの点が


軽視させて小手先のテクニック論が先行している研修や、ワークショップが意外と多い気がします。




勿論、ただ事実を見せて考えさせればいいわけではありません。


でも、効果的にできれば研修の目的によっては効果的なものができることが多いのも事実です。









K-20という怪人20面相が外伝として
しばらく前に映画化されましたね。

第二次世界大戦が回避された場合の、
1949年の日本が舞台であり、
華族制の延長としての格差が社会構造の基本となりつつ、
社会が進化していく設定です。キャシャーンなんかもそうだったかな。

なかなか見応えのある映画でしたが、その中で、
泥棒の心得、習得方法みたいのが出てきます。
変装方法みたいのも出てくるのですが、
「直線で街を進む」という訓練方法が出てきます。

街の地図を買ってきて、どこでもいいから
端はら端まで直線を引きます。
で、その直線にそって街を進んでいくという至ってシンプルな訓練方法。

まあシンプルといっても、決して簡単ではない。
当然ビルやら道路やら様々な障害物がある。
普通ならそういったところは回避して進むわけですが、
この訓練方法では理屈抜きで何があろうとまっすぐ進む。

これが逃走術であり、侵入術であり、泥棒の基本とのことです。
道なきに道を進み、自ら道を作っていくことを意味すると。


この部分なんだがとてもしっくりきてしまいました。
この訓練方法で鍛えられるのは、

①問題解決方法(直面する問題を乗り越える力)
②メンタルタフネス(回避可能な障害をあえて回避せず突き進む精神力)
③自信

このシンプルな訓練方法、実は色々なところで使われていたりします。
逃げる言い訳をシンプルなルールで完全に封じてとにかく遮二無二
目の前の壁を乗り越え続けるわけです。

ランダムで選んだ直線ですからそこに理由はありません。
そこに議論の余地はない。

一時期、問題解決能力より、問題発見能力が大事という
論調がありました。もちろんそれ自体あっているとか
間違っているとかいう話をしたいわけではありません。

しかし、とにかく目の前の課題の乗り越えまっすぐ進んでいく
という力はスマートな方法論と根性論批判で軽視されがちです。

勿論、盲目的な根性論は嫌いですが、
こういった訓練で身に着く底力と精神力は
いつの時代も基本となるでしょう。