ドーベルマン、近年日本で見掛ける多くがアメリカンタイプです。
PDでは、ヨーロピアンタイプが主流ですが、熱心にヨーロッパから輸入される方がいなくなって来た事もそうでしょうが、ヨーロッパ事情から見てみると、日本への輸出は、ヨーロッパ人ブリーダーからすると決して良いビジネスではない、というのが本音です
なぜか?
日本人でドーベルマンを使いIGPをしている人がいない、そうなんですね^^;
IGP訓練に取り組むドーベルマン飼いがいないのが実状です。
精々、PDでの警戒レベルぐらいで、(片袖咬ませる)本格的な訓練をしない
そんな日本に、わざわざ名のある超血統のドーベルマンを輸出しようとはならないですね^^;
お金を、中国人やアラブ人の様に、300万500万と出すなら話しは別ですが、100万出すにも出し渋る日本人には、良い個体を引っ張って来るのは本当に難しい犬種です。
なぜなら、ドーベルマンはやはり、世界を見渡すとまだまだ人気犬種です。
アメリカ、オーストラリア、中国、中東、アラブ、には、ヨーロピアンドーベルの超血統がかなり輸出されています。
ヨーロピアンとアメリカンタイプ、何が違うのか?
一口に言って、ヨーロピアンタイプから筋肉を削ぎ落とし、シャープにしたのがアメリカンタイプ、そんな感じですかね^^;
パワフルさ、精悍さは正直アメリカンタイプには無いと言っても良いでしょう(とは言え大型犬です。牡はそれなりに力強い)
ドーベルマンの印象は、独立心、自立心が極めて強く媚びを売らない犬種、そう私は感じます。
だから、昔、ドーベルマンギャングと言う映画の中で、銀行を襲撃しお金を持ち帰る仕事をさせられる内容でしたが、見事に映画化出来る程の訓練が入れられています。(編集だけで、成功させたのではなく実際に訓練にて実演している)
ドーベルマンだったから可能にした映画と言っても過言ではないでしょう
あれが、逆にジャーマンシェパードやロットワイラーでやるならば、ドーベルマンに入れた訓練時間より一層時間が掛かっていたと思います。いや、不可能だったかもしれません。
理由は、あの映画の中でこなした作業は、独立心と自立心が強い犬種じゃなければ不可能です。
ドーベルマン以外で出来る犬種はベルジアンマリノアとダッチシェパードだけで有ると私は推察します。
訓練性能の高さだけで言うと、ジャーマンシェパードやロットワイラーに分がありますが、
犬の訓練作業は、単に性能だけで計れるものでは有りません。
適応力、向き不向きが、付き纏います。
ジャーマンシェパードは、独立、自立心はそれほど高い訳ではなく、むしろ、人間とのパートナーシップ有りきです。
その逆、ドーベルマンは、人間が側にいて指示を待つタイプの犬では無く、むしろ自分の感性と興味で動き回る犬種です。
だから、ドーベルマンは、ヨーロッパの訓練士でさえIGP訓練は難しいと言います。
ジャーマンシェパードやロットワイラーと同じ様な指導方法では、仕上げる事は不可能な犬種です。
習性である、独立、自立心の強さをいかにやらせたい競技に嵌め込むか、が、キーポイントになります。
その点、ジャーマンシェパードやロットワイラーは、先ず第一にモチベーションを維持する事が重要ですが、
ドーベルマンは、犬の興味と自立性を成立させる事から始めなければならない事、この違いは、とても大きく、理解していない人間がドーベルマンを触ると、100%潰してしまいます。
ドーベルマンは強く叱られても、一見、意に関せず、直ぐに忘れる、あっけらかんとしている、そう見える犬種ですが、実は、執念深さはジャーマンシェパードやロットワイラー、マリノア達と何ら変わり有りません。
厄介なのが、執念深い様に見えない、ポーカーフェイス振りと、エネルギーの高さが、本質を見誤る原因です。
ドーベルマン、この犬種は、何千坪、何万坪の広い敷地の学校や工場などを、三頭や四頭のドーベルマン達で警戒警備を24時間態勢でさせる等の作業が一番適している犬種だなと、私は常に思っています。
行動範囲が広く、犬自身が考え動き行動すると言う点においては、ドーベルマンは非常に優れた犬種だと思います。
しかし、裏を返せば、言う事を聞かない、集中力に掛ける、何を考えているか分からない、と、素人の方は感じるでしょう
要するに、訓練をするには難しい犬種だと言う事です。
ただ、熟練者にはやり甲斐の有る犬種です。
あくまで、ヨーロピアンドーベルの私が持つ印象です。
アメリカンドーベルマンは分かりません。
もっと言うなら、アメリカンドーベルマンはもう別犬種です。
Thank you everyone😊