『ソウェト出身のツェボ(少し改訂』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。

今回のヨハネスブルグ滞在において、彼は僕にとって重要な存在だった。

ソウェト出身のツェボ。
彼には、感謝してもしきれない。


・・・いやまあ、療養生活はどうなった!?とか。
耳はどうなのかという報告はひとまず置いておきまして。
というよりも、耳に関してはいまだに原因が不明なので・・・。

えーっと・・・・











話を元に戻しますね。

ツェボとはね、そんな療養生活3日目に出会いました。

折角、南アフリカヨハネスブルグにいるんだから、
世界で最も危険と云われているその町を、
この目で見てみなくちゃ。

そう思い、中心街へ繰り出した時でした。

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黒人って皆陽気で、どこに行っても何かしら話しかけてくるんスよ。

ツェボも例外ではなく、

『お前は中国人か!!?』

というお決まりパターンから始まり、

あれやこれやそれやどれやと・・・etc

・・・・・・

気づいたらねー、仲良くなっちゃってたりしてたんですよ。

・・・なかなかにおもろい奴だったなー、ツェボ・・・









いやいや、話はまだ続くんですけどね。









そんな訳で、
ツェボに案内されるがまま、
ヨハネスブルグを一通り周り・・・、
ソウェトへも一緒についていく事になった僕。
(↑はい、毎度お馴染みの内容短略化戦法です)






『ソウェトまでどうやって行くんだい?』

と尋ねる僕に、

『電車を利用するんだよ』

と答えるツェボ。





この電車がね、なかなか凄いんス。















僕以外の乗客が全員黒人なんですよ。

日本人どころか、白人も乗っちゃいない。

あれだけ大勢の黒人に囲まれたのは、
後にも先にもこの時だけだったなー・・・

うむ。我ながら貴重な経験をしたもんだ。

だってさ。

ほんとに凄かったんですから。

日本の電車の乗客が、全員黒人になったって想像してごらん。

んでその乗客が全員、自分自身に注目してる。

そこいらで『チャイナ、ジャパン』って聞こえるんスよ。

そして、ツェボが口を開くんです。

『君が乗っている事は、彼らにとってはサプライズなんだよ』

あの言葉は忘れないね。









暫くして、
がたんごとん・・・と、
大勢の黒人と黄色の猿を乗せた電車は、
ソウェトへ向けて出発しました。

ソウェトに着くまで、僕はツェボと色んな話をしました。

ソウェトを探索中も、色んな話をしました。

ソウェトからの帰りの電車の中でも、色んな話をしました。

正直、ソウェトよりもそっちの方が僕にとっては衝撃的でした。

『あれは大統領の橋だよ』

『目の前のねーちゃん、俺のモロ好みだ。』

『声をかけろよ、ツェボ』

『いや駄目だ。俺は恥かしがりやなんだ』

『君の仕事は何なの?』

『仕事は今はしてないんだ。んで、世界一周してる』

『そっか。俺と同じだね』

『え?でも街中でジュースを売ってたじゃないか』

『あれは気休めだよ。
もう
2年仕事がない。
したくても出来ないんだ』












その言葉を聞いた時、例えようのない感情が溢れてきた。

ツェボはね、今日の売り上げ分と同じお金を払って、
ソウェトを案内した後も、
一緒に電車に乗ってついてきてくれたんです。

たった今さっき知り合ったばかりの東洋人のために。

僕はツェボに何かお礼がしたいと思い、帰りの電車の中で、こう、呟いた。

『ツェボ、カレーって知ってるか?』

『なんだいそれ?』

『日本の食べ物なんだけど(嘘)、俺が帰国したらそれを送ってやるよ』

『本当かい!?!?』

ツェボはまるで少年のような顔をして、その提案に喜んだ。

その喜びように僕も

『ようし、それを5つ送ってやるから!!』

と奮発した(どこが奮発なんだ・・・)。

別れ際に、僕はツェボのアドレスが書かれてある紙をもらった。

そして、握手をして電車を降りた。












南アフリカヨハネスブルグ。

危険危険といわれる町でも、こんな出会いがあるんですね。

あの頃からだいぶ時間は経っているけれど。

ツェボは今もなお、
あのバスターミナルの前で、
赤い不思議なジュースを売りさばいているのだろうか・・・。



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※ソウェト、ヨハネスブルグを最初に周った時はカメラを持ってませんでした。
なので、黒人だらけの電車の写真はございません。
ちなみに今回の記事に載せてる写真は、後日ヨハネスブルグ中心街へ繰り出した時に撮影したものです。