『マダガスカルの悲劇⑤』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。


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バスはとうとう首都アンタナナリヴへ向けて発進した。
重体?の僕を乗せて。

前日に予約した事もあり、僕は助手席を確保できた。
(勿論すぐ横に太ったおっさんはいる)

が、出発してすぐにその事を後悔した。

シートの真下にあるエンジンが、どんどん熱くなってきているのだ。

風邪を引いてる時は、身体を温めなきゃいけないという事は知っていた。

しかし。

この温かさは異常だ。

腹部から徐々に身体が熱くなる感覚。

そして何より。

暑いのに全く汗が出てこないこの状況。

これでは熱が下がる所か、体温は上昇する一方だ。

先日一時帰国した際に、
熱中症で死亡する例をテレビで見ていたもんだから余計に怖い。

そう、熱中症で死亡するケースは、
汗をかくことが出来ずに、脳がやられるというパターンなのだ。

いや、今回の件と熱中症は全く関係のない事かもしれないが、
僕はそういう事を考え出すと、不安で堪らなくなるのだ。

『やべぇ、まじ、やっべ』

約15時間の、自分との戦いが始まった――。

~幕間~

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田舎道を走るミニバスの中で、僕はふと、こんな事を思った。

マダガスカルの本当の姿は、
この道にあるのかもしれないと。

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そこから見る景色や、村や、人は、
マダガスカル人の日常を映し出していた。

そういう風に考えると、このバス旅もいいもんだなァと、少し思えてきた。
ま、あくまで健全な状態であれば・・・だが。

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~幕間~



―――バスが出発して、数時間。

食事休憩の為、バスは山間の村に停車した。

あたりはもう既に真っ暗だ。

時計を見ると、19時となっている。

あれからまだ5時間しか経っていないのかと、
時間の経過が遅い事に、
かつてない程の嫌悪感を覚えた。

時間が経つのが遅く感じるのは、昼寝をしてない所為でもあった。

いつもの移動なら、爆睡しているはずなのに。

熱さと不安で、眠れないのだ。

とりあえず、食事だけでもしっかりとらなければ・・・。

そうする事によって、この変な熱さからは、一時開放される。

隣のおっちゃんに先に出てもらい、僕はゆっくりと車から降りる事にした。




――次の瞬間。

一瞬、目の前が真っ暗になった。

生まれて初めての、立ち眩みというやつを引き起こしたのだ。
しかも、気を失いそうになるほどの。

ははは、こりゃほんと、やべえかも。

頭がボーっとするので、もうどうでも良い感じだ。

なるようになるだろうと、半ば投げやりで食堂へ向かった。

腹にやさしい食事にしようと、僕は鶏のスープを頼んだ。

目の前に座っているオッチャンが、おいしそうに食べていたのも、注文した理由だ。

が、出されたスープを見て、絶句した。

どう見てもその中に故意で入れられたのではなく、
迷い込んだとしか思えない、
アリが浮いていたのだ。

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↑蟻。

おいおいまたかよ・・・。

日本だと、裁判モノだぜ・・・。

一気に食欲がなくなった。

体力をつけないといけない時に、こいつはなかなかきつい。

バスの道は、まだまだ長い。

ぐうっとなる腹をおさえつけ、僕は再びミニバスに乗り込んだ。

つづく・・・。






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