『マダガスカルの悲劇③』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。

ダメな時は、何をやってもダメなんです。

バオバブの朝日を見た日から、丸1日。

たっぷり睡眠を取り、
回復に専念した結果、
熱が下がった。

身体は少しだるいが、昨日に比べると幾分楽に感じとれた。

もう少し寝ようかとした時、コンコンとドアを叩く音がした。

ソニだ。

恐らく今度はアンタナナリブまでのチケットの件だろう。

朝日を見に行った時、僕がソニにバスチケットの手配をお願いしていたのだ。

ソニを通して購入した方が、いくらか安い。

しかし。

さすがに病み上がりの今日、移動するのは避けたい。

営業熱心なのは良い事だが、風邪の時くらい配慮してくれよ。

そう思いながら僕はドアを開けた。

が、ソニの用はバスチケットの件ではなかった。

そこにはソニと、一人の女性が立っていた。

一瞬、頭がパニック症候群に陥りそうになったが、
話を聞くとその女性は日本人で、
キリンディ国立公園へ一緒に行く仲間を探しているとの事だった。

ソニが街中で声をかけ、同じ日本人という事で、ココまで連れて来たのだ。

彼は、前日僕がキリンディという言葉を口にした事を覚えていた。

実は、『キリンディまでいくらだ?』という質問をしていたのだ。

その時は高すぎてすぐに断った。

だから彼は、
ここに彼女をつれてくる事によって、
営業成績を上げれると踏んだのだろう。

っとに商売熱心な奴だ・・・。

さて、問題のキリンディ国立公園、である。

その場所は、マダガスカルの固有種が多く生息するムルンダヴァ近郊の観光スポットだ。

近郊といっても、
その場所までは5時間ほどかかるのだが。

一人で行くにはあまりにもお金がかかりすぎる上、
丸1日つぶれてしまうという事で、半ば諦めかけていた場所だ。

シェアして安くいけるのならば、行きたい場所でもあった。

ソニが出してきた価格より、
大幅のプライスダウン交渉をし、
1人1日5万アリで、
キリンディまで行ける事になった。

ところが。

彼女はキリンディに2日滞在したいらしく、早くも僕のプランと衝突した。

結局、僕はキリンディを諦めた。

が、キリンディに少しでも行けるという希望を持ってしまった反動からか、
当初予定になかった近くのメナベ公園を訪問し、
アンタナナリヴへ帰るというプランをたてた。

メナベ公園でも、
放し飼いだが固有種と触れ合える事が出来ると、
地球の歩き方に記載されていたからだ。

さて、話は少しそれるが、
ここで僕は衝撃の事実を知る事になる。

せつこさん(日本人女性の事ね)は、1日10万アリを支払って、
バオバブの朝日、夕日も込みで、キリンディへ行くというツアーだ。

僕は、45000アリをそれぞれ支払って、バオバブの朝日、夕日を見た。

加えて、明日のメナベ公園は、25000アリを支払わなければならない。

合計115000アリの出費だ。

・・・・・。












キリンディ、
いけたやんけ!!

(もちバオバブ込み)

これにはかなりのショックを受けた。

なんだか全てが空回りしているような気がした。

情報を集めなかった僕の責任なのだが。

こういう時こそ、
気持ちを切り替えなければいけない。

学生時代、
とある人から教わった事だ。








―その後、せつこさんと少し話をし、
折角辺境の地マダガスカルで出会ったのだから、
食事でも行こうという事になった。

ソニに案内されて、地元のいわゆる安食堂に入った。

安食堂といっても、ここは比較的清潔なレストランだ。

食事からと思われる風邪を引き起こした後では、
流石に前のような場所に入りたくはない。

店の前にメニューが置いてあったので、僕は肉料理とスープを頼んだ。

少し太ったオバチャンが、愛想が良いとも、悪いとも言えない接客で、注文をとった。

席について暫くしてからスープがきた。

さて、ここでこのスープにヒトコト言いたい。

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なんでここでも
パクチー
やねん!!


南米以来食べてなかったもんだから、強烈なフックをくらったような気がした。

こうなってくると、食べ物にもバカにされてるようで、仕方がない。

度重なる不幸になんだか疲れを感じる。

ム。

ダメだダメだ。

切り替え、切り替え・・・。



――そして翌日。

25000アリを支払い、メナベ公園に到着した。

そこは、雑草が生い茂った民家の庭のような場所だった。

家主のおばちゃんが、公園内というか、家の敷地内を案内してくれる。

フランス語でまくし立てるので、何を言ってるか解らない。

終いには、動物を指差して『ン!』で済ます始末。

そんなこんなで、30分程周り、全てを見終わった。

そこには、キリンディで見れる固有種もいなければ、
唯一いるキツネザルはハゲかかった年寄りだった。

そして僕は独り、思った。












いや、詐欺だろ。

ふんだりけったりだ。



















悲劇は止まる事を知らない。

これは、小さい不幸の話である。

旅亀の背後に、大きな不幸の影が、忍び寄っていた。

つづく・・・



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