『マダガスカルの悲劇②』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。

バオバブの木を、知っていますか。

ここムルンダヴァでは、
そのバオバブの木が観光スポットとなっている。

世界中の旅行者がこの地を訪れる理由は、
バオバブの木を見る為・・・と言っても過言ではない。

かくいう僕も、
車検が完全に切れたオンボロバスで、
15時間も悪路に揺られ、
その観光名所に思いを馳せながら、
この場所に来た。

動物達と触れ合うという目的を除けば、
一番楽しみにしていた場所だ。

しかし、である。

ダメダメな僕は、
何の情報もなしにマダガスカルに来てしまった。

バオバブの木の情報は皆無というわけだ。

だから、
蟻がたくさん浮いているスープを飲み干した後(←あっ、この話は前回を参照)
ソニに声をかけられた事は、
僕にとっては不幸中の幸いといえるだろう。

ソニは地元のガイドだった。

こいつがまた営業熱心で、
1日3回は僕の泊まっている宿まで顔を出し、
あれやこれやとツアー提案をしてくる。

そこで僕がバオバブの夕日を見たいという事を伝えると、
45000アリで、タクシーをチャーターすればどうだと、提案してきた。

この値段は妥当だった。

ただ、その場で即決という選択をとった事が、
これから始まる大きな不幸と小さな不幸の、
後者の方の第一歩だったのである。

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バオバブの夕日を見終えた後、ソニは言った。

『夕日だと、人がいっぱいで美しさが損なわれる。
最初に言っただろう?朝日にすれば良いって。』

『・・・・・!!』

迂闊だった。

最初に声をかけて来た時、ソニは夕日ではなく、朝日を薦めていたというのだ。

そういう話をした事を、無論僕は覚えていない。

聞いてなかったのだ。

45000アリで夕日が見れるという話に浮かてしまったからかもしれない。

いや、僕の英語力の問題か・・・。

どちらにせよ、結果的にソニの忠告?を無視してしまったのだ。

ソニもソニだ。

夕日を見終えた後なんだから、
朝日の事は黙っててくれれば良かったのだ。(←いや、それが商売か?)

僕の性格上、
そんな話を聞いてしまったら、
是が非でも朝日を見ないわけにはいかない。

渋々45000アリを追加して、
翌日朝日を見に行った。

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異変に気づいたのは、その後だ。

あれを引き起こしてしまった時の、
誰もが感じる症状が、
僕の身体を襲った。

頭を少し動かすと、
ズキンと響く。

膝の関節が、
痛い。

・・・・・!!

風邪だ!!

・・・原因はなんだ・・・??

・・・食事・・・か。

ちくしょう。

この風邪はマダガスカル旅行にとって致命的だった。

ビザの関係上、滞在期間を延ばすわけにはいかない。

かといって、高熱状態で観光をしたくはない。

どうすりゃいい??

休むか、移動か、観光か。

その時僕は一つの選択をした。

その選択は正しかった。

しかし。

その次の選択が、間違っていた。

不幸への階段を、
少しづつ降りていく自分が、
そこにはいた。

マダガスカルの悲劇・続く。