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洋書や洋楽で学ぶ英単語・英熟語 - from the word GO -

洋書や洋楽などの英語の素材を通じて英単語・英熟語などの英語の語句を学ぶためのブログ

語句

overshadow[レベル:C]

(※レベルはA(易)~E(難)の5段階 詳細はこちら


例文

There is a terrible fascination to war which tends to overshadow less dramatic news.

(東京大学)


意味

【動】「影を投げかける」,「暗くする」,「見劣りさせる


解説

overshadowは、物理的または比喩的に、影を投げかけてあるものを暗くする、という意味をもつ言葉です。


over:「上に」とshadow:「影」という語の成り立ちからもわかるように、何かの上に影を投げかける、影にする、というのが基本的な意味です。

その「影にする」「影をなげかける」ということが比喩的に使用されて、人や物事について「重要性を下げる,見劣りさせる」という意味が生まれ,また日本語の「影を投げかける」と同じように「幸福や喜びを低下させる,くもらせる」、という意味もあります。

物理的な意味よりも比喩的な意味で使用することの方が圧倒的に頻度が多く、重要です。


例文は東大入試からの引用で、「戦争の報道には他のニュースをかすませてしまうほどの力がある」といった意味です。

東大向けのものを含めてほとんどの受験用の単語帳にはこの単語は載っていないようですが,東大英語ではovershadowの語が過去10年間だけでも複数の年度にわたって計5回使用されており、しかも正確な意味が理解できないと文章の読解が苦しくなるようなかたちで使用されています。


「オーバー」と「シャドウ」の組み合わせというわかりやすそうな言葉ですが、正しい意味で理解している人は少ないかもしれません。

この単語の意味をつかんでいないと文の意味の理解が困難になってしまうことの多い重要単語なので、正確な語彙をつかんでおきましょう。


語句

implore[レベル:C]

(※レベルはA(易)~E(難)の5段階 詳細はこちら



例文

No beggars implored him to bestow a trifle.

Charles Dickens - A Christmas Carol



意味

【動】「~を懇願する」,「~を哀願する」,「~を切実に求める

解説

imploreは、何かを切実に頼むこと、求めることを意味する動詞です。


語源についてみると、imは「~に」、ploreは「泣く、泣き叫ぶ」という意味で、それらが合わさったimploreは、「~を求めて泣く」というところから、「~を切実に求める、哀願する、懇願する」という意味になりました。


このようにimploreには、切実に求めるというニュアンスがあり、人に対して援助・慈悲・赦しなどを求める、請うといった場面で使われます。

ややフォーマルめな語で、普通、会話よりも文章のなかで使用されます。


上の例文は、イギリスの作家チャールズ・ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』の第1節の中の一文です。

主人公スクルージの人物像が紹介されるなかで、「どんな物乞いもスクルージに施しを求めることはない」と、具体的な例を通じて彼のけちで無慈悲な性格が描写されています。

『クリスマス・キャロル』は、このような性格のスクルージがクリスマスの時期に不思議な体験をして、それを通じて人生を見つめ直していくことになるというストーリーです。ちょうどそろそろクリスマスの時期ですし、興味のある方は英語でも日本語でもよいので読んでみてほしいと思います。


語句

fall to pieces[レベル:C]

(※レベルはA(易)~E(難)の5段階 詳細はこちら



例文

You tell me your life's been way off line

You're falling to pieces every time

Daniel Powter - "Bad Day")



意味

【熟】「ばらばらになる」,「ぼろぼろになる」,「崩壊する

解説

fall to piecesは,物・関係・事業・精神などについて、崩壊することを意味する熟語で,前回紹介したfall apartと意味も用法もよく似た表現です。


fallは「~になる」、piecesは「破片,断片」という意味なので、fall to piecesは「破片になる」,つまり崩壊してばらばらになるという意味になります。


このfall to piecesもfall apartと同じく、物・関係・事業・精神などを主語にして、物理的なことから比喩的なことまでさまざまな場面で使用されます。

物について使えば「ばらばらになる,ぼろぼろになる」、関係や事業なら「破綻する,崩壊する」、精神であれば「ぼろぼろになる」といった意味になります。


今回の例文は、カナダのシンガーソングライター、Daniel Powterの"Bad Day"からの一節です。世界的ヒットにもなった,かなり有名な曲ですね。

この曲は人生や物事がうまくいかないときの気持ちをテーマにした歌で,引用した部分では思い通りにいかなくて精神的にぼろぼろになってしまっているということが述べられています。

"Bad Day"は,大変なときに気持ちを楽にしてくれる曲なので,人生や物事がうまくいかないと感じたときに聴いてみてほしい作品です。