左右対称でないものの美しさ | 森の休暇小舎の自然日記

左右対称でないものの自然の美しさ

 

昨年4月に伐採されたヒマラヤスギの枝。

木口があまりに楕円形で心材の中心が一方に偏りすぎて器に挽いたら美しくないと思い込み1年8か月も庭に放っておきました。

冬を迎えてこれからが剪定や伐採のシーズン。

昨年入手した材も少なくなりました。

思い切って、荒々しい樹皮を鎧のように被ったそのヒマラヤスギを挽いてみました。

作業小屋にはヒマラヤスギの甘い香りが満ちています。

 

はたして、驚くような自然の意匠が現れました。

自然の中には左右対称なものはないと言います。左右非対称に現れた心材と辺材が演出した意匠に驚くばかり。

ここまで心材の位置を偏らせたヒマラヤスギはどのような場所に生えていたのでしょう?どのような自然の中で育ったのでしょうか。

自分勝手に何十年かの、このヒマラヤスギが育ってきた人生を、木生に思いをめぐらして作業をした数時間でした。