『作家紹介』  吉田修一 | 【WONNDER3】 Time&Space Travelers

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小説家 吉田修一は1968年生まれ 長崎市出身 法政大学卒

1997年『最後の息子』(文春文庫)で文學界新人賞を受賞してデビュー。浅田彰、山田詠美らに激賞される。本作は2004年刊行『春、バーニーズで』の主人公の約10年前の姿でもある。同文庫収録作『water』は2007年著者自身が監督し、映画化された。

著作多数であり、年代順では以下の通りとなる。

2000年『最後の息子』 (『最後の息子』『破片』『water』 収録)文春文庫、

2001年『熱帯魚』  (『熱帯魚』 『グリンピース』 『突風』 収録)
文春文庫

2002年『パレード 』 (長編小説)幻冬舎文庫 『パレード』で第15回山本周五郎賞

2002年『パーク・ライフ 』(『パーク・ライフ』『frowers』収録) 文春文庫 『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞

2003年『日曜日たち』 ( 連作短編集 『日曜日のエレベーター』『日曜日の被害者 』『日曜日の新郎たち 』『日曜日の運勢 』『日曜日たち』収録) 講談社文庫

2003年『東京湾景』  (長編小説『東京モノレール 』『品川埠頭 』『お台場から 』『天王州1605 』『りんかい』 『お台場まで 』収録) 新潮文庫

2004年『長崎乱楽坂 』 (長編小説『正吾と蟹 』『タローと炭酸水』『明生と水玉 』『清二と白い絣の浴衣 』『駿とスープラ』 『悠太と離れの男たち』収録) 新潮文庫

2004年『ランドマーク』 (長編小説) 講談社文庫

2004年『7月24日通り』  (長編小説) 新潮文庫

2004年『春、バーニーズで』(『春、バーニーズで』『パパが電車をおりるころ』 『夫婦の悪戯 』『パーキングエリア』『楽園』収録)  文藝春秋
  
2006年『ひなた』  (長編小説  『JJ』連載「キャラメル・ポップコーン」に加筆・修正、改題) 光文社文庫

2006年『女たちは二度遊ぶ』(『野性時代』に「日本の十一人の美しい女たち」として発表した連作短編集。 『どしゃぶりの女』『公衆電話の女』『自己破産の女』『殺したい女』『夢の女』『平日公休の女』『泣かない女』『最初の妻』『CMの女』『十一人目の女』『ゴシップ雑誌を読む女』収録 )角川書店


2006年『初恋温泉』(連作短編集『初恋温泉』『白雪温泉』『ためらいの湯』『風来温泉』『純情温泉』収録) 集英社

2007年『うりずん』(『VS.』に「スポーツのある風景」として連載 文・吉田修一 写真・佐内正史、)光文社

2007年『悪人』(朝日新聞夕刊連載 の長編小説)朝日新聞出版局  同作で第34回大佛次郎賞・第61回毎日出版文化賞を受賞。 

2008年『静かな爆弾』(長編小説)中央公論新社

2008年『さよなら渓谷』(週刊新潮連載の長編小説)新潮社

2008年『あの空の下で』(ANA機内誌『翼の王国』連載の旅がテーマのエッセイ集)木楽舎

2008年『元職員』(長編小説)講談社 (以上、ウィキペディア参照)


吉田修一の小説は大きくふたつに分かれる。

東京を舞台とした若い男女が主人公のスタイリッシュな恋愛、青春小説。
新宿『最後の息子』 、日比谷公園『パークライフ』、お台場『東京湾景』
銀座エルメス本店で働く女性が主人公の『ひなた』など。

もう一方に長崎を舞台として、紀州を舞台に路地に生きるものたちを書き続けた中上健次のように血縁にしばられ暴力と狂気をはらんだ男たちを描く物語があり、『長崎乱楽坂』はこのテーマを全面に掲げた力作である。

もちろん東京を舞台としていても、あるカップルの生活をえがきはじめているかにみえて最後に男たちの暗い暴力を水と花と夏の熱とともに描く『frowers』や、女が受けるパートナーからの暴力と虐待する父親から逃げ出し母を探しつづける幼い兄弟との出会いと別れと再会を描く『日曜日たち』などがあり、東京ースタイリッシュ、恋愛、青春 長崎ー暴力、家族、狂喜と単純に2分できるわけではない。

というよりも、長崎、九州を舞台として殺人事件をもとに家族、暴力、を
描きながら男の性欲、女の見栄、父親の愛情、犯人の孤独と愛情をカポーティの『冷血』ばりに徹底的に描いた傑作『悪人』や、

東京での男女5人の共同生活をスタイリッシュに描きながら驚愕のラストで
すべてをひっくり返す『パレード』

舞台を大宮の建設中の巨大タワーとして、ふたりの男とそのつれあいの女性を軸に物語られる9.11後の日本『ランドマーク』

など、東京、関東が舞台の物語は女性が主人公で恋愛もの、
長崎、九州を舞台としたものは男性が主人公で汗と暴力がテーマの物語、
という設定を入れ子にしたり、複合した作品に傑作が多い。

物語の舞台が重要な意味をもつ吉田修一作品では初の海外が舞台の書き下ろし長編小説『元職員』以降がいまから楽しみである。

初めて読む方には上記の設定すべてがはいっているデビュー作『最後の息子』や『パレード』、現時点での最高傑作『悪人』をおすすめしたい。


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