『JJ』休刊の衝撃 | 「書く」を仕事に

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取材・文/有留もと子
お問合せ/moco_moco_moco@hotmail.com

ライターの有留です。

いつもお世話になっております。

 

先日、ファッション雑誌の『JJ』(光文社)が休刊になりました。

 

『JJ』が創刊されたのは1975年。

高度経済成長期が一服したタイミングです。

同じ光文社から発売されていた

『女性自身』の別冊としてスタートしたため

「Josei-Jishin」の頭文字をとって『JJ』と命名されたとか。

 

 

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(私は『olive』派でした。好きなファッションのテイストは今も変わらない……)

 

 

ご存じの方はよくご存じだと思うのですが、

「女子大生ブーム」っていうのが、1980年くらいから始まります。

素人女子大生をモデルにしたコンテンツが大量に

作られるようになりました。

 

その女子大生ブームにうまく乗ったのが『JJ』。

女子大生を中心とする女性層に向けて

ファッションのトレンドを次々に仕掛けていきました。

 
時代はちょうどバブル経済へ。
世の中、なんだか浮かれていましたねえ。
日本の未来が暗いなんて、誰も思っていなかったと思う。
っていうか、未来のことなんてあんまり真剣に考えていなかったような気がします。
 
私は当時高校生くらいでした。
前髪を鶏のとさかのように巻いたお姉さんたちが街中を闊歩するのを見て
「変な髪形……」
と思っていました。
 
私は『JJ』よりもマガジンハウス社の『olive』(1983年新創刊)の方が好きで
「生まれ変わったらパリジェンヌになる」
と秘かに誓っていました……。
 
今にしてみればアホみたいだけど、そういう時代だったんです!
 
『JJ』は女性性を強く意識してイケイケな感じ。
『olive』はカルチャー寄りで、ガーリーなイメージ。
まったく相反する世界観でした。
 
私は大学生になっても相変わらず『olive』を読んでいて、
アルバイトしてためたお金は、ブランド物のバッグに貢ぐことなく
ヨーロッパ旅行につぎ込んでいました。
 
しかし、大学を卒業して働きだしたら、
いつまでもガーリーでいられるわけもなく。
気が付いたら『olive』はいつの間にか休刊(2000年)していて。
 
私のテイストに全く合わなかった『JJ』は
21世紀になっても生き残っていたわけですが、
とうとう、このたびの休刊。
ついに一度も読んだことがなかった……。
 
もうファッションの情報にお金を出す時代じゃないってことですね。
ブログやインスタグラムなんかで十分なんだ。
 
ファッションそのものも、ユニクロをはじめとする
ファストファッションが優勢だしね。
ハイブランドの最新トレンドなんて
別に知らなくてもいい。興味はない。
おしゃれな子たちは、お財布にやさしいお値段の洋服を
どれだけかっこよく着こなせるかを競い合っている。
そこにプロのジャッジはいらないんだよね。
自分たちがよければ、それでよい。
 
本当に時代が変わったなあと感慨深いです。
これから先もまた変わっていくんだろうなあ。
 
雑誌文化で育った私としてはちょっと寂しくもあります。