こんにちは!復帰後、半年が経過しました、トータスキッズ指導員の岩﨑です^^
今日は、
「感覚遊びが中心だったIくんが、“人と関わる楽しさ”を少しずつ広げていった半年間の物語」
をお伝えします。
応用行動分析(ABA)の視点を軸にしながら、Iくんに合った“入り口”を探し続けた記録です。
<こんなご家庭におすすめの記事です>
*感覚遊びが多く、活動の幅を広げたい
*目を合わせる・やりとりが難しく感じる
*座っての課題が続かない
*コミュニケーションのきっかけをつかみたい
*子どもの特性に合わせた支援例が知りたい
そんな保護者の方のお役に立てれば嬉しいです。
<〈最初の出会い〉感覚遊びが中心だったIくん>
Iくんは年長さんの男の子。
出会ったばかりの頃は、
*光に当てた鏡の反射を眺める
*ジャラジャラしたものを見つめながら寝転がる
*丸いものを転がす・投げる様子をじっと見る
といった“感覚を楽しむ遊び”が中心でした。
こちらに目を向けるのも、まだ難しい様子。
でもその世界は、その時の彼にとって大切で安心できる時間でした。
<〈関わりの入口〉“目合わせ”を遊びの中にそっと置く>
「人の働きかけに応じる力を育み、Iくんの興味の幅を広げたい!」
そんな取り組みとして、まずは、学習基盤課題の一つとなる「目合わせ」を定着させるところから始めました。
Iくんの好きな“転がるもの”を活かし、
小さなテーブルを坂にして「3・2・1…!」と“スリーカウント”で玉が転がる遊びを、たくさん一緒にしました。
さらに、“キラキラ好き”を活かし、シャボン玉でも同じサイクルを実施
A(てがかり):「小さなテーブルとボール」or「シャボン玉」+スリーカウント
B(行動):目合わせ
C(結果):「球が転がる(ご褒美・強化子)」+「そう!すごいね!(褒め言葉)」
遊びに“期待の流れ”が生まれ、
「目を見ると楽しいことが起こる」
という経験が少しずつ積み上がっていきました。
<〈目合わせ+タッチ〉小さなアクションがコミュニケーションの芽に>
目合わせが定着してきた次は、 「目合わせ+タッチ」 にトライ。
最初は手をそっと取りながら、「タッチ」という言葉と動きをゆっくりつなげていきます。
やがて、
*離れた場所へのタッチ
*洗濯バサミを取る
*磁石をとる
など、Iくんの「できる」”こと”と”範囲”が次々と広がっていきました。
〈座るという“形”より、関わるという“時間”へ〉
こちらの働きかけに応じることが増えてきたため、次は着座での活動を目指しました。 コロコロ玩具や好きな動画を使って着座を促しましたが、他の課題を加えると離席が見られたり、玩具やタブレットを投げることもありました。
分析すると、
「投げる&投げたものの動きを見る」がIくんにとって大切な楽しみ
であることがわかりました。
そこで、
*不適切な投げは消去
*代わりに“目的のある投げ”(玉入れなど)を強化
*“遊びの広がり=興味の開発”を優先
という方向に切り替えました。
<〈トランポリンで生まれた“つながる遊び”〉>
外遊びが好きというお母さまからの情報をヒントに、
トランポリンを導入。
以前は揺れを楽しむ感覚遊びでしたが、
今回は 「手をつないで10回跳ぶ」 を一緒に挑戦。
すると、
10回跳ぶ → 目合わせ+タッチ → 10回跳ぶ
という好循環が生まれ、
Iくんは“人と飛ぶ時間”そのものを楽しみ始めました。
45分の中で、
感覚遊びよりも 「一緒に遊ぶ時間」 が大きく増えていきました。
その中で、
「やって」などの要求行動も自然に育ちました。
さらに、
10回跳ぶ
→ 目合わせ+要求
→ トランポリンから降りる
→ マットを歩く
→ ママにタッチ
→ 立ったまま机で1課題
という流れが完成。
<〈着座への再挑戦〉少しずつ、けれど確かに前へ>
“一緒に遊ぶ関係”ができあがったことで、
Iくんがこちらの働きかけに応じる力は大きく伸びました。
そこで、再び着座をターゲットに。
*座るだけの課題を設定
*座れたら言葉・シャボン玉・トランポリンなどで強化
*少しずつ机上課題を追加
今では、椅子に座って1課題を安定して取り組む段階に!
確かなステップアップを続けています。
<〈振り返って〉Iくんが教えてくれた、「関わりの育ち方」>
目合わせは、
人とつながる一つの大切な扉。
うまくいかないときも、
応用行動分析(ABA)の視点で「なぜ?」を見つめ直すことで、
Iくんに合った関わり方を探し、試し、また探す。
その積み重ねの中で、
コミュニケーション力と“こちらと一緒に取り組む力”が同時に育っていく
という貴重な経験をさせてもらいました。
これからも、
Iくんの「できた!」という瞬間が増えていくよう、
一歩ずつ伴走していきたいと思います。
<〈おまけ〉今のIくん>
要求サインは、
「絵カードを取る+手叩き」 にまで発展。
自分から伝えようとする芽が、確かに息づいています^^
Iくんのように、
お子さま一人ひとりの「今」と「好き」を入り口にしながら、
関わりやコミュニケーションの力を育てていく支援を、
トータスキッズでは大切にしています。
「うちの子にも合うかな?」
「まずは雰囲気を見てみたい」
そんなお気持ちで大丈夫です。
まずは事業所の見学から、お気軽にお問い合わせください。
https://www.ts-kids.com/mailform-v7.0/index.html
(トータスキッズ問い合わせフォーム)
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「困った…」を
「できた!」に変える支援の場
トータスキッズ
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