「めんどくさい」が「いいね」に変わる瞬間――子どもが挨拶の意味を理解した日 | Wonder Forest ブログ

Wonder Forest ブログ

子どもと家族の支援への想いとノウハウが詰まったブログです。

トータスキッズ指導員の板倉です。今回は、発達支援の現場で起きた「挨拶を通じた成長」のお話です。

 

主役は、中学1年生のWくんと小学6年生のAくん。二人の関わりから、挨拶の本当の意味が見えてきました。

 

<きっかけは「Aくんに挨拶してほしい」>

Aくんの先生から「来所時にAくんへ『こんにちは』と声をかけてほしい」と頼まれたWくん。

 

Wくんは人と関わるのが得意で、「あ、そんなこと?」とすぐ引き受けてくれ、私も「できるでしょう」と思っていました。

 

ところが。。。

 

実際にやってみると、挨拶はただの声かけではなく“タイミング”や“相手の受け取り方”が重要だとわかります。

 

<「伝わる挨拶」への挑戦>

最初のWくんは、「楽しくやりたい」「盛り上げよう」という気持ちが強く、歌舞伎風やニヒルな「おはよう」など、変化球の挨拶のオンパレード。

 

しかしAくんの練習には、シンプルで相手に届く挨拶が必要。

 

そこで「Aくんを見て、名前を呼んで、はっきり『こんにちは』と言う」ことをお願いしましたが、演出を封印されたWくんのやる気はダウン。タイミングも合わず、Aくんには届きません。

 

Wくんの挨拶練習、「めんどくさい」>

Aくんのために始めた挨拶練習ですが、Wくんにも、相手に伝わる挨拶をして、相手の反応を受け取る練習にしたい、と思いました。そこで、目的とその方法を伝え実施。

 

でも、自分の課題が中断されたり、Aくんからの反応が返ってこないこともあり、とうとうWくんから、

 

「めんどくさいな」

 

という言葉が出てしまいました。

 

<作戦変更と「ありがとう」の力>

そこで、私がベストなタイミングを見てAくんに声をかけ、Wくんには軽く合わせてもらう程度で多くを求めず、Wくんの負荷を下げながら継続。

 

そんなある日、Wくんが「Aくんのお母様から「いつもありがとう」と言われたんだけど」と、不思議そうな顔で教えてくれました。

 

私は「Aくんのための練習に、Wくんが協力して挨拶してくれているから、Aくんのお母さんはいつも嬉しそうにしてくれているよ」と伝えました。次の時、WくんにAくんの来所時、Aくんだけでなくお母さんを見るように促し、「お母さん、今日も嬉しそうだったね」と声掛け。Wくんから返事はありませんでしたが、何か感じてくれている様子でした。

 

それからWくんは、Aくんとお母様をしっかり見て挨拶するようになりました。

 

<挨拶が“気持ちのキャッチボール”に変わった瞬間>

すると、Aくんにも嬉しい変化が。お母様に促されてのことが多いですが、来所時にこちらを見てくれるようになり、今では言葉は発しなくても、手を振ってくれるようになったのです。

 

そして先日、Wくんがはにかみながら、こう言ってくれました。

 

「なんか、挨拶っていいね。最初はめんどくさいな、って思ったけど、言うだけじゃなくて、なんつーか気持ちのキャッチボールみたいなの?そういうのもくるめて挨拶なんだよね。うん、そこがいいよね」

 

私はその言葉に感動し、「そうなんだよ!」と興奮しながら伝えました。

 

この変化は、Aくんのお母様の「ありがとう」周囲の感謝や笑顔という“自然な強化”があってこそでした。

 

<支援の本質と学び>

普段の学習支援と同じく、挨拶も「意味を理解し、自信を持って行動できるようになる」ことがゴール。

 

理解できるまでは、Wくんにとっては負荷が高く辛いことも多いですが、それを乗り越えて理解できた時に「なんだ、こういうことか」「分かった!もう一人でできる」など、嬉しい言葉をよく返してくれます。

 

そのWくんの頑張る姿勢、乗り越えた時に発する言葉に、私はいつも感動させてもらい、勇気づけられます。今回も正にそうでした。Wくん、ありがとう。

 

*トータスキッズでは、お子様の「困った」を「できた!」に変える個別指導の利用者を募集しています。スタッフの1/3以上が公認心理師&臨床心理士という専門性の高い支援が強みのトータスキッズの個別指導、あなたも体感してみませんか?

 

まずは指導見学から。

ご連絡お待ちしています。

(問合せは下記URLまたはQRコードにて。)

https://www.ts-kids.com/mailform-v7.0/index.html

(トータスキッズ問い合わせフォーム)

**************

「困った」を

「できた!」に変える支援の場

トータスキッズ

**************

#ASD #ADHD #発達障害 #発達凸凹 #知的障害 #自閉症 #自閉症スペクトラム

#療育 #ABA #個別指導 #応用行動分析 #ペアレントトレーニング #児童発達支援 #放課後等デイサービス #横須賀 #子育て #子ども #生きる力 #自己肯定感 #利用者募集中 #不登校 #HSP  #思春期 #子育ての悩み  #発達支援 #児童発達支援 #コミュニケーション力  #相互コミュニケーション #挨拶の力 #子どもの成長 #特性に合わせた支援 #療育現場  #気持ちのキャッチボール  #トータスキッズ