「やりたくない!」を「やってみよう」に変える動機づけ | Wonder Forest ブログ

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子どもと家族の支援への想いとノウハウが詰まったブログです。

"「困った」を「できた!」に変える支援の場" トータスキッズ指導員の板倉です。

 

さて今回は、“「やりたくない!」を「やってみよう」に変える動機づけ”に関するGくんのエピソードのご紹介。

 

にこやかですが、興味の範囲が狭めで、自分の思いを言葉で伝えるのが少し苦手な、現在小学校高学年のGくん。

 

あれは、2年前ぐらいだったでしょうか。どんな課題を提示しても「やりたくない」と完全拒否になってしまうことがありました。

 

そこで私は、

 

『プリントもイラストを入れておくと気持ちが上がる♪』

 

との前任者からの助言を取り入れ、Gくんの好きなクレヨンしんちゃんやウルトラマンなどのイラストを付け加えた課題スケジュールを作成。

 

次の来所時に、

 

「今日は、ちょっと面白そうなの用意したよ。一緒にやろう^^

 

と、いつも提示している課題内容を書いたスケジュールを見せました。

 

この日も最初はフロアのバランスボールに腹ばいになり、無反応だったGくんでしたが、頭を上げ、その紙に描いてある小さなイラストを覗き込んでくれました。

 

内心<やった!>と思ったのも束の間、

 

「なんだ、つまんねー」

 

とまた視線を落とします。Gくんは、それが一瞬自分の好きな怪獣に見えたようだったのです。

 

そこで私は、

 

「じゃあ、次は怪獣描いとくよ。何がいい?先生あんまり知らないんだよね。教えて^^

 

Gくんの自尊心をくすぐりつつ学習スペースに誘ってみたところ、素直なGくんはすんなり入ってくれました。

 

Gくんの可愛らしさにほっこりすると同時に、強化子(好きなもの)の持つ力・大切さ、そして自ら動きたくなる動機づけの設計の大切さを改めて痛感しました。

 

それから、怪獣のイラスト描きが、Gくんの課題準備に欠かせなくなり、空き時間にせっせと描き溜めるようにしました。

 

怪獣のウロコのようなゴツゴツした身体の突起や、足や手の爪?部分を描くことが、私にとってはとても難しく、その苦労した箇所やイラストの出来具合について話すことが、Gくんとの良いコミュニケーションの材料になりました。

 

指導の日に「今日はこれだよー」とスケジュールの紙をヒラヒラさせながら学習室に入ると、Gくんはすぐについてきてくれ、時には、イラストが楽しみで先に着席して待っていてくれることもありました。

 

このように

 

“イラストの怪獣についてGくんと話し、次のリクエストを聞いて課題に取り組む

 

ということが、課題に取り組む動機づけになる良い1日の流れになっていきました。

 

そして、上記のような良い学習のサイクルが回りだしたので、もう一段上を目指せないかと考えた私。Gくんは「自分のことを言葉で伝える」というのもターゲットの一つだったので、好きな怪獣やゲームの話の後に、学校でやったことの聞き取りを追加し、自分のことを話す練習に繋げました。また好きな話を自分で話すことに自信がついてくると、怪獣やゲームの話の切り上げもできるようになり、課題への取り組み姿勢もよくなりました。

 

長らく二人三脚で進めてきたGくんの指導も、私から別の担当に変わることになり、今まで書き溜めたイラストをGくんに進呈しました。全てのイラストを重ねて撮っても写真3枚分にもなるくらいの量がありましたが、Gくんは一つひとつよく覚えてくれていて、思い出話に花が咲きました。

 

Gくんの成長に大きな力を発揮してくれたこのイラスト。

 

私にとっても、

 

“「やりたくない!」を「やってみよう」に変える動機づけに、強化子(好きなもの)は大切”

 

という基本を、改めて肝に銘じさせてくれました。

 

早いもので今年も残り僅かになりましたね。

来年も基本を大切に、精進して参りたいと思います。

 

本年もお世話になり、ありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。

 

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