今回から、ワンダの「映画チラシ」コレクションの中から毎回ランダムに選び紹介しています。決してレアでも高額なものではありませんが映画同様思い出深いものばかりです。今日の一枚は「ローマの休日」以前のオードリー・ヘプバーンがバレリーナ役として出演した「初恋」です

 

  初恋(1952年)

 

ヴァレンティナ・コルテーゼ

セルジュ・レッジャーニ

オードリー・ヘプバーン

チャールズ・ゴルドナー

メグス・ジェンキンス

アイリーン・ワース

 

1930年のロンドンを舞台に、幼くして両親を失った姉妹マリア(ヴァレンティナ・コルテーゼ)とノラ(オードリー・ヘプバーン)は、父の親友アンセルモに引き取られ、彼の経営するレストランを手伝いながら成長していくが、ひょんなことから暗殺計画に巻き込まれていく・・

 

▲バレリーナ役のオードリー・ヘプバーン

 

よく販売されているDVDなどを見ると「オードリー・ヘプバーンの初恋」と記されていますが、もともとの題名は「初恋」です。そもそも、この映画の主演は「裸足の伯爵夫人」「栗色のマッドレー」「ブラザー・サン・シスター・ムーン」などでお馴染みのイタリアの美人女優、ヴァレンティナ・コルテーゼです。撮影当時21~22歳のヘプバーンは主人公マリアの妹役ノラを演じ、エンドクレジットは4番目ですが、それまでの彼女のキャリアの中で最も大きな役でした。映画の内容は、はっきり言って暗くよくわからない映画で、とても「初恋」とはほど遠い印象です。ただし、彼女の出演シーンは光り輝いており一見の価値はあります(後の彼女のことを知っているということもあるでしょうが)。主演のヴァレンティナ・コルテーゼはかなりの美人なのですが、脇役のオードリーの瑞々しさが際立った映画です。翌53年には、あの「ローマの休日」が公開されオードリーは一躍世紀のトップスターになります

 

 

トップで紹介した「初恋」の2色刷りチラシは、残念ながら1993年のリバイバル上映の時のものです。あきらかにヘプバーンの映画のような印象ですね。もともとこの映画は、1952年アメリカ公開なのですが、日本公開は同じヘプバーンの「マイ・フェア・レディ」の少しあとの1966年です。「ローマの休日」の日本初公開が1954年ですから、彼女の人気にあやかってのリバイバル上映だったと思います。52年の公開当時は、この映画の映画チラシやパンフレットは制作されておらず、わずか2つ折りのプレスシートのみ存在するようです。40年くらい前に、映画マニアらが集う販売会で見る機会がありましたが、とても手が届く価格ではありませんでした。今出てきたらとてつもない価格がつくと思います。紹介のチラシは20年くらい前に、他のチラシに交じってオークションに出品されていて、驚くほどの安さで購入しました