この映画は、大好きなデンゼル・ワシントンということもあり、公開時に横浜で観ております。その後、レンタルで数回。ストーリーはわかっていても繰り返し観る一本です!

 

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「デジャヴ」

2006年/アメリカ(127分)

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トニー・スコット監督作品で、デンゼル・ワシントン主演のSFサスペンス映画!

 

 

◆ 監 督

 

トニー・スコット

トム・クルーズを一躍トップスターに押し上げた「トップガン」(86)をはじめ「クリムゾン・タイド」(95)「ザ・ファン」(96)「スパイゲーム」(01)など話題作を多く監督しておりましたが、2012年に68才で亡くなっています。実兄は「エイリアン」(79)、「ブレードランナー」(82)などで有名なリドリー・スコット監督です。

 

◆ キャスト

 

デンゼル・ワシントン

 

ポーラ・パットン

ヴァル・キルマー

ジム・カヴィーゼル

アダム・ゴールドバーグ

 

デンゼル・ワシントンについては、ほとんどの方がご存知でしょうから詳細はカットしますが「フライト」(12)ほか「クリムゾン・タイド」(95)や「戦火の勇気」(96)が好きですね。ポーラ・パットンは「ミラーズ」(08)「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(11)などに出演しています。ヴァル・キルマーはご存知「トップガン」(86)でトム・クルーズのライバル役のアイスマンでした。「ウィロー」(88)、「ヒート」(95)そして、あまり期待していなかった「セイント」(97)は意外に面白かったです。ジム・カヴィーゼルは、何といっても以前レビューした「オーロラの彼方へ」(00)でしょうね。さわやかなイケメンからこの映画の悪党ぶりへの変貌ぶりがすごいですね。そういえば「オーロラの彼方へ」もタイムパラドックスを使った物語でした。あまり知られていませんが、アクション大作「ザ・ロック」(96)にもパイロット役で出ていました

 

 

 

▲ATF捜査官ダグ/デンゼル・ワシントン

▲クレア/ポーラ・パットン

▲テロの犯人キャロル/ジム・カヴィーゼル

 

ニューオリンズが舞台_

2006年2月、ニューオリンズで500名以上もの犠牲者を出した凄惨な爆破事件が発生する。事件を担当した捜査官ダグ(デンゼル・ワシントン)は、その手腕を買われFBIの特別捜査班に協力を依頼される。そして、そこで彼は極秘に開発された映像装置を見せられるのだが・・・

冒頭の、セリフを一切排したリズミカルな流れはトニー・スコット監督らしい手際の良さです。カット切りを含めて驚くほど見事で、流れるように美しいですね。楽しそうな船上の人々の後に、少女が人形を船から落としたあたりから暗い影を落とします

 

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♣ 一粒で二度も三度もおいしい映画!

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この映画は、初見の面白さと二度目の面白さは違います。スピーディでデンゼル・ワシントンをはじめとする俳優陣の演技の質の高さ、そして、トニー・スコット監督による演出など一級エンターテイメントとしても最高に面白いです。彼がゴーグルを付け、数日前の爆弾犯を追跡するシーンは今まで見たこともない迫力と興奮でした。二度目以降の面白さは、ゲームをひとつづつクリアしていくような感覚で、ゆっくり謎を解いていく過程が小気味いいですね

 

まるでジェットコースターに乗りながら読書をしている印象で、良く言えば”スリリング”悪く言えば”トリッキー!”普段あまり映画を観ない人でも楽しめるサスペンス・アクションです

 

かなり手ごわいですよ、この映画!

 

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 U can save her(お前は彼女を救える)

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この言葉がこの映画のキーワードになります!

 

デンゼル・ワシントン主演でスタイリッシュな映像、群を抜く演出とくれば「面白くないわけがない!」です。ましてや、トニー・スコット監督となれば「クリムゾン・タイド」(95)が思い出され、期待値は上がる一方です。個人的にはこの分野の映画としてはかなり好きな映画です。さらに、何度観ても観終わったときにいつも「不安が残る映画」なのです

 

この映画は、前半と最後が抜群に面白い映画です!ただ、残念なことに「中盤」が分かりにくい!それは「スノーホワイト」の出現とタイムトラベルへと領域を広げたことです。それ自体は悪いとは思いませんが、そうすることによって「正解」がわからなくなったことでしょうか(面白くしているという意見も多いですが)。一般的には、タイムトラベル作品ではその時間軸の扱いが重要になってきます。本作の場合、時空は分岐するタイプなのですが、やはりこの映画の弱点はこのパラドックスについての掘り下げがイマイチなところでしょうか?ただ、それでも素晴らしく好きな映画であることに変わりはありません!

 

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♣ デジャブとは?

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デジャブは日本語に訳すと”既視感”になります。「既に経験したことがある感覚」のことを意味します。初めて経験する場面なのに、なぜか昔に見たことがある気がする。そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。多くの映画で使われていますがキアヌ・リーブスの「マトリックス」でもデジャヴの場面がありました

 

ネタバレになるので、あまり詳しくは書けませんが、この映画にはたくさんの伏線があります。その伏線を回収していく過程が楽しいのですが、ひとつ重要なシーンを挙げればタグ(デンゼル・ワシントン)が「スノーホワイト」で過去へ戻ろうとしたとき言った言葉ではないでしょうか?

 

「やっぱりやめよう!不可能だよ」

「ただ、これが二度目だとしたら・・・」

 

サスペンスからSFへ、そしてアクションへと展開する物語は、見事な映像と演技によってラストへと進みます

 

「まさかなあ・・・」

 

彼の最後のつぶやきは、いったい何を意味していたのでしょうか?