朔に伺い、風景、建物、器、お料理全てに
感動しました。
一番驚き、かつ、うれしかったのは、
輪島の塗り師、故 角偉三郎さんの
合鹿椀で食事ができたことです。
カウンター席からは少し調理場が見え、
次に出てくる器にお料理を盛るのを
見ることができるんですが、
6つ並んだ椀のうち、2つが赤い合鹿椀。
そのフォルムと色から、
えっっっもっもしかして…と思い、
気になってちらちら見ていましたが、
「合鹿椀ですね」と声をかけたら、
やっぱり‼️
偉三郎さんのものでした。
20代後半の私が
本格的に器の世界にのめり込んでいったのは、
八事雲雀ヶ丘にあった器のお店『菊いち』さんで
たくさんの素晴らしい器に出会い、
それらの作り方や使い方を
店主長埼明さんが教えてくださったから。
私は『菊いちさん』とお呼びし慕っていました。
菊いちさんも長年陶芸をされていて、
器のことは本当に詳しかった。
私がモノを選ぶ基準は用と美
菊いちさんのことばです。
伊賀、織部などのゴツくてシブい陶器から始まり、
徐々に粉引や磁器の繊細さに惹かれ、
軽さと美しさ、手入れが楽、割れない、
長く使うほど美しくなる、
必要になったらまた塗れるという理由から
たどり着いたのは漆でした。
中でも、当時異彩を放っていたのが偉三郎さん。
合鹿椀を初めて見た時、
その迫力に鳥肌が立ち、衝撃はすごかった。
欲しい!と思いましたが、
まだ20代後半の私はその値段にひるみ、
購入できなかった。
偉三郎さんには1回だけお会いしました。
菊いちさん主催の八事八勝館での食事会。
魯山人を愛で、魯山人的な食事をする会。
お話はしませんでしたが、
骨太で静かな方とお見受けしました。
かっこよかった。
いつか合鹿椀買うぞーっと思ったのですが…
偉三郎さんは2005年に65歳で亡くなられ、
手にできなくなってしまった逸品。
あーっまさか、朔で会えるなんて![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)
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強く、美しく、凛とした佇まい
私が偉三郎さんのファンだと知り、
奥様が盃を見せてくださいました。
偉三郎さんのサイン❤︎
小さい方の盃は、お子さんが小さい頃に投げて
欠けてしまったところに、
ご主人がアワビの貝殻をつけて直したそうです。
そのセンスもスゴイ!
使い込んで、いい艶に
お味噌汁の椀も偉三郎さんにしてくださり、
ご夫婦のお心遣いに感謝。
わが家には、偉三郎さんの作品が3つだけ。
宝物。
そば猪口は、いろいろ使えて便利
帰宅後、料理講師咲ちゃんからいただいた
菰野の幻の豆腐屋さんの豆腐と厚揚げ、
かぼちゃのお味噌汁を。
ひとつ、特別な場所が増え、
幸せな1日でした。