「おかあさん」、「おかあさん」、娘の声がした。「ああ、夢か」、私は怖い夢を見ていたんだ。部屋に足がたくさんある黒い虫が何匹も現れて、気持ち悪いなと思っていると背中がモゾモゾしてきて、「いやー!」と叫んだ。黒い虫が私の背中にいる、気持ち悪い、不安、恐怖が広がる。前に黒い虫を見た時も嫌だったけど、こんなことになるなんてどうしたらいいのかと思いながら叫び続けていた。怖い夢だった。時計を見ると6時を過ぎたところ。家族が起きるのは6時45分だから、早すぎる。微妙に早い。娘よ、ごめん。
娘の出勤準備が整い始めた頃、「さっきはありがとう」と言ってみた。「珍しいね」と言われた。確かに、怖い夢を見て大声をあげるのは久しぶりだ。睡眠導入剤がなければ眠れない時期があって服用していたが、よく悪夢にうなされた。20年くらい飲んでいたけれど、ねこぞうが夜鳴きをするようになってからは導入剤を飲む意味がなくなりやめた。すると悪夢を見なくなった。
昨日、私のDIDについて、人に説明する必要があって、過去の話などしたせいかもしれない。この障害のせいで、周囲に迷惑をかけているので説明責任は果たさなければならない。しかし交代する人格について話をするのは結構、自分でも混乱する。いま、話しているのは誰なのか、あまり自信がない。当人がこれなのに、話を聞いてくれた人は理解できただろうか。
