伊坂幸太郎先生の「アヒルと鴨のコインロッカー」創元推理文庫(363ページ)を読みました。
わたしは人の名前に先生を付けることはないのですが、ついに付けることになりました。それほどこの本はわたしに動揺を与えたのです。
アヒルと鴨なんてタイトル、コメディなんだろうかと思いつつ読み始めたのに、初っ端から、入学したばかりの大学生が隣人の書店強盗を渋々手伝うのが現代。2年前に遡って別の場面、ペットショップに勤める若い元気な女性と同棲するブータン人がペット殺しを遊戯とする3人組と出会って命からがら逃げる。2年前と現代が、かわるがわる描かれる。
伊坂先生のお話にはいつも美しい人間が登場する。この本、映画にしたら誰がやるんだろうとつい妄想の世界へ誘われる。出たよ、見目麗しい傲慢なプレイボーイ。これがペットショップの女性の元彼氏。ペットショップには冷淡でサイボーグのような見目麗しい女性店長もいる。ペットショップ店員も正義感強くて魅力的。大学生も臆病で普通ぽくて可愛い。それぞれの人物がとても興味深い。でも今回はブータン人が気になった。ブータンに行ってみたいと思った。
とにかく、ペット殺しの内容が物凄くて、これ、こんなことやる奴は人間じゃない!ぶち殺してください、伊坂先生!てな気持ちになりました。そして、終幕、わたしは泣いてしまったのです。こんなことあるかよ、と。
でも「アヒルと鴨のコインロッカー」、どこかにあるんでしょうか。そこには神様がいるのでしょうか。20260514
