秀俊は都道府県対抗男子駅伝の5区を走る事になった
5区は高校生が走る区間で、8,5キロある
神奈川県チームで走る
選ばれた時は、素直に喜んだ
走るからには神奈川県代表として一生懸命に走る
数日前にチームのメンバーと挨拶を交わした
「頑張ります!」
と、威勢良く挨拶した
中学生から社会人まで走る駅伝だ
新開と鏡は、たまたまこの放送を見ていた
「へえ、こんな大会があったんだ。初めて知ったよ」
と鏡は新開に言った
「神奈川県代表の鹿島ってヤツが、高校生No.1だって。俺も良く知ってる訳じゃないけどね」
まず高校生が1区を走って、2区は中学生、3区は大学生・社会人を走ってという風になっている
最近は箱根駅伝の選手も多く走る
広島が舞台のレースだ
新開はシンカーをマスターしたいので、ボールを右手で握り感触を確かめようとしている
鏡はもうすぐ受験なので、部屋の机の上は参考書と問題集で一杯だ
「それがさ、バレンタインデーの頃は受験の
真っ只中で当日は東京だから我慢してね。14日も試験だよ。悲しいな」
「受験が終わってからでもいいさ。俺はバレンタインデー女子と一緒だった事はないから慣れてる」
2人はこたつの中で寛いで過ごしていた
色々話していたら、あっという間に時間経った
テレビを見たら、4区が終了しようとしてた
秀俊が走るのを2人はたまたま見た
「神奈川県は20位で鹿島にタスキを繋ぎましたが、鹿島が猛然と追い上げてます。15番手に上がりました」
と、アナウンサーが伝えている
「春からは青山学院ですか。期待できますね」
と、解説が入る
「へえ、鹿島って青学行くのか。同級生になんのか、こいつと」
画面の中の秀俊はぐいぐい他県の選手を抜いている
「早え、こいつ。もう12番手だぞ」
新開が一人言を呟いた
秀俊はチームを6番手まで上げて次の区間の選手にタスキを渡した
区間新が出たらしい
「早かった、鹿島って。同じクラスには、なりたくねえな」
「英介は野球部で名を上げて行けばいいの。全然舞台が違うじゃない。青学のエースになるの」
その後2人は色んな話をした
少し外に出よう、と鏡は言って、近所散歩をした
「鏡さ、タバコは止めた方がいいぞ。ハタチになってから吸うなら良いけど」
「あ、ばれたか」
新開は鏡と色々話せて嬉しかった