クーラーはまだしなくて良いね | camouflage

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いつもの通り

良く行った洋食屋さん 

004 春のソナタ(4)


「あんたたち 間に合ったのね…」


生徒指導室の前に座らされていた 鏡は 憎々しげに綾奈の所へ来て 低い声で言った


そして綾奈の隣の自分の席に 鏡は座った


一時間目は国語


綾奈と鏡は教科書を出し 先生を待った


やがてチャイムが鳴る頃に国語の片尾先生がやってきた


片尾先生はこのクラスの担任だ


今朝の男子も一緒だった


男子は綾奈と鏡の顔を見て 気まずそうな顔をし 眼をそらした


「転校生を紹介する。三ツ境聡くんだ」


…へえー みつきょうくんっていうんだー


綾奈はじっくり三ツ境のことを見ていた


左隣で 鏡が綾奈をちらっと見て また憎々しげな顔をした


「三ツ境くんは横浜からの転校生だ。みんな仲良くしてあげるように」


…横浜…、どうりで垢抜けた感じの男の子だもんな


三ツ境はペコッとお辞儀をしたが 何も喋らなかった


「明神、お前の右隣空いてるな。三ツ境くんの席はあそこだ。明神、教科書を当分見せてあげるように」


三ツ境は綾奈の席の前を通る時、


「またよろしくな。跳ね馬」


と言って綾奈の隣に座った