こちらの続きです。



この一件のあと二人に変化があったが、折りしも世の中はコロナ禍に突入した。


皆が得体の知れないものに怯えていた当時、子どもの学校も休校やリモート授業になっていて、その頃はさすがに私たちのデートもしばらくお預けとなった。


しばらくして落ち着き始めた頃にGoToや地域割などの支援金が出るようになったことで、今まで日帰りで行けていた近場の旅館やホテルに宿泊目的のお泊まりデートが増えた。

近場の旅行ということで気負わずに済んだことも功を奏してか、凌亮が旅行の時に体調を崩すことが無くなった。


そしてそれを咎めたことを罰するかのように、私の体調が万全ではないことが増えたのだった。


もちろんそんな私を凌亮は気遣ってくれて、何度も体調を確認してくれる。


その度に、私が今まで凌亮にしてきた態度を内心反省していた。


凌亮の強烈な眠気も無くなった。


お出掛けデートの帰りなど、少し疲れてお腹が満たされたあとは眠気が来ることもあったけれど、頻繁に休憩しようか?と声を掛けたりして無理をさせないように心掛けた。


私自身心に余裕が持てるようになった。


世の中の行動制限は二人にとっては良いきっかけと言ったら言葉は良くないかもしれないが、マイナスになることはなかった。