凌亮に会うまですごく長く感じた。
 
凌亮に伝えたいことをずっと頭の中で繰り返して、最後はちゃんと伝えたいと思った。
 
重い空気を纏いながら凌亮の車に乗り込んだ。
 
どっちから話し出したのか覚えてない。
 
ただ、あんなに練習したのに、話し出そうとすると声が震え泣いてしまいそうだった。
 
吹っ切れたはずだったのに、私は別れを悲しんでいるのだろうか。
 
どうにか言いたいことは伝えた。
 
凌亮に言ってどうにか変えられることではない。

だからもう無理なんだと思う。

一通りどうにか話し終わると、
「唯の気持ちをわからなくてごめんね。
いつも旅行の時は全部計画してくれて予約もしてくれて、ありがとうって気持ちはずっとあったけど、それに甘えていたかもしれない。
仕事も忙しくて、家帰っても休まらなくて、言い訳になっちゃうけど、唯と旅行って思うと嬉しくて気が緩んじゃって、それで体調崩しちゃうのかもしれない。
体調良くない俺に唯は素っ気なくて、なんでもっと優しくしてくれないのかな?って思ったこともあったけど、唯の気持ち今すごくわかる。
そうだよね。本当にごめんね。」

凌亮は別れを切り出す私に怒るどころか私の気持ちに寄り添ってくれて、最後まで優しく落ち着いて話す凌亮の言葉に私は一層泣いてしまった。