こちらの続きです。




初めての彼と別れた後、反動からか一時的に性に奔放になった。


ぐいぐいと言い寄ってくる年上のインテリ勘違い男とつきあったり、久しぶりに会った同級生と意気投合して体の関係を持った。


そんな不安定な時期も1年足らずで落ち着き、夫と出会った。


夫は性に関してはあまりにもノーマルで淡白で安心したのを覚えている。


それでようやく私は安定を手に入れられたのだった。


夫からは口で求められることがなかったから一度もしたことはなかった。


そして夫に拒絶され5年後、凌亮と不倫関係が始まった。


ノーマルで淡白で早漏の夫とは違い、凌亮は私の身体を知ろうという気持ちがあった。


凌亮と出会うまでは性行為はただの愛情の確認行為と思い早く終わることだけ考えていたけど、身を預け心を解放することを覚えた。


私ももっと凌亮を気持ち良くさせたい。


そんな気持ちになり、ある日口でしてみることにした。


すると急にトラウマが蘇ってしまい、初めての彼に強要されて感じた言葉にならない様々な思いが押し寄せて来て、涙が出て来てしまった。


私から始めたことで、何一つ強要もされていないのに。


15年も前のことなのに、私の中でトラウマとなっていたなんて思ってもいなかった。


気付かれちゃいけない…と思いながらももう続けることができなくて、急に泣いてる私に凌亮も驚いて中断。


でも私のトラウマを話せるわけもなく、凌亮が悪いことなんて何もないのにこんなことになってしまって申し訳なく感じた。


凌亮は何も聞かずただ抱きしめてくれた。


そんなことがあってから私は口ですることは無くなったけど、凌亮もそれを求めてくることはなかった。


凌亮に洗いざらい話したらトラウマは克服されるかもしれないけど、克服する必要があるのかもよくわからない。