こちらの続きです。





「ピル飲むの?」

「身体に影響はないの?」


ピルを飲むことを凌亮に言うか迷った。


避妊しなくてらくと思われたくはなかったけど、これは私の覚悟と強い意志。


リスクもあるしお金も掛かる。


定期的な検査も必要。

※当時は半年に1回、血圧や体重測定の後に4本分の血液を採られて事細かに調べられた。


それでも私はピルを飲むと決めたことを凌亮に言いたかった。


案の定凌亮は私の身体を心配して色々調べてくれた。


一通り調べたのにも関わらず、

「男が飲んじゃだめなのかな?」

なんて真剣な表情で言うから、可愛いと思ってしまった。


「それは無理だね笑。それに、私元々生理重いから、生理痛を和らげたいって言うのもあるの。だから凌亮のために飲むわけじゃないから」


生理が重かったのは確か。


市販の鎮痛剤でコントロールするのが難しくなっていて、仕事を休んだり早退することもあったし、家で寝てもいられないほどの痛みでのたうち回る日もあった。


ピルでコントロールできるならそれだけでもピルを始める価値があると思った。


「凌亮のために飲むわけじゃない」という言葉は若干凌亮の心にチクリと来たようではあったが、それはわかってほしかった。


凌亮が避妊する煩わしさを無くすために私がリスクを承知の上でピルを飲むことを決めた…なんて思われたくなかった。


結果的にピルの服用を始めて本当に良かったと思っている。


軽い頭痛や腹痛で鎮痛剤を飲む時もあるけれど、以前のように貧血で倒れたりもがき苦しむことが無くなったことで、QOLが一気に上がった気がした。


きっちりと28日周期で生理が来るから、何か月も先の家族の大型連休の計画はもちろん、凌亮とのデートや旅行の計画が立てられるのも都合が良かった。


それに、これはおすすめはしないし自己責任だが、避妊をせず愛し合うことができるし不安を感じることもなく快楽に没頭できた。