こちらの続きです。




凌亮が働く会社を去って3か月ほどして、私は次のパートの仕事に就いた。


その頃には会う間隔、会う時間帯がほぼ固定された。


1か月に2回のホテルデート。


2か月に1度平日の日帰りお出掛けデート。


そして1年に1回は1泊旅行をしようと決めた。


私も凌亮も自分に無関心な配偶者を持ち、お金に余裕はないけれど、ある程度は自由に使えるお金や時間があることなど、境遇が似ている。


そういう環境が似ているというのは『婚外恋愛』をする上で重要かもしれない。


凌亮の提案で、私たちは共通のお財布を作った。


ホテル代を含むすべての費用をそこから出すことにした。


ホテル代まで割り勘なんてと思われるかもしれないが、以前の記事の通り、凌亮の給与口座は奥さんが管理していたため、1か月で自由になるお金はふたりともほぼ同額なのではないかと思っている。


毎月自由に使えるお金はどのくらい?なんて話をしたことがないからあくまで予測ではあるけれど。


だから割り勘になることはむしろ自然で無駄な気兼ねがいらないから気楽だった。


それに外で食事をした時に私がお財布を出して支払うなんて、まるで家計を預かっている奥さんみたいでちょっと嬉しかった。


毎日のルーティンと言えば、朝と夜のLINEのみ。


電話で話すこともないし、「今から家抜けられる?」なんて急なお誘いもない。


あっさりしすぎかもしれないけれど、このくらいがふたりにはちょうど良かったんだと思う。


ただ、週末のLINEは少し様子が違った。


決まった時間のLINEは出社日に限ったことで、休日は気ままなやりとりだった。


子どもが小さく、週末はそれぞれ家族と出掛けていることが多かったから、私がお昼にLINEを送っても、凌亮から返事が来るのは夕方とか夜ということも珍しくなかった。


なかなか返ってこないLINEに私はやきもきしてしまう。


私自身は家族と仲良く過ごしているのに、凌亮が家族と仲良く過ごしているのを考えると醜い嫉妬心が出て来て勝手に機嫌が悪くなる。


そんな自分が嫌だったのに自分の気持ちをコントロールできない歯痒さ。


結局しばらくして、「週末は連絡を取るのをやめよう」と凌亮に言った。


1日2、3往復のLINEと言えども唯一の繋がりだから、多分私は依存していたのかもしれない。


だから週末でも変わらずLINEで繋がっていたいと思っていたけれど、こんなに悶々とするならいっそ週末は完全に連絡を絶ったほうが精神衛生上良いのではないか。


ある日依存心がすっと消えた。


週末連絡を断つのは寂しくて、あんなこと言わなきゃ良かったなと思ったのは1、2日で、週末に悶々とすることもなく母業・主婦業に専念できるのは快適だった。