実録、2歳児の話し方
先日紹介した発達心理学のおすすめ本0歳~5歳児までのコミュニケーションスキルの発達と診断―子ども・親・専門家をつなぐ/北大路書房¥3,570Amazon.co.jpは、かなり実践的かつバランスのとれた内容がすごく良い。幼児の発話の実際を丁寧に記載しながら、それぞれの年齢の子どもの認知と言語、コミュニケーションのありようがどんなふうに発達していくか、心理学的な視点からテンポよく解説している。もとは児童臨床の専門家向けなのかもしれないですが、そうじゃなくても十分にわかる内容。そして、子育てにダイレクトに役立つ1冊だと思います。例えば2歳児の発達の特徴なら、こんな感じ。1.注意のコントロール2歳児が自分の注意をコントロールする力は、徐々に柔軟になっていくものの、単一チャンネルであることにはかわりない。何かをやっている時に、別のことに注意を向けるには、視覚的注意と聴覚的注意を同時に振り向ける必用があるし、それを親が手助けする必要がある。(ここを読んで、反省。最近は結構ものを分かってきたように見えるムスメ(2歳10か月)に対して、遊んでいる時に、そろそろ寝る時間だから片付けしなさ~いなどと声掛けし、従わないと、こらーっ!と怒ってきたけれど、まだ注意をこちらに振り向ける手助けをしなければなりませんね。)2.遊びと言語の関連2歳児の遊びのスキルは拡大する。特に言語と関係するのが、象徴の理解。このころの幼児は小道具がなければ、ふりをすることで想像上の表象を扱うことができるようになる。また、動物園に行くなど、たまにしかない出来事を遊びの中で演技する。人形を寝かしつける、など、経験をふり遊びの中で再演する。(ああ、これらはうちのムスメもやります、やります。ぬいぐるみに布団をかけてトントンと叩いていたり、何も持っていなくても、手を耳に当てて、「もちもち?おばあちゃん?」などブツブツ話しています。なるほどね、確かに目の前の具体物から離れた、記憶を使うシンボル操作の能力が発達していることがわかります。)3.概念・意味・語彙の発達この段階の子どもの語彙サイズに影響を与える要因の一つは、周囲の大人から耳にする言語である。相対的に大きい語彙を持っている子どもの親は、子どもへの話しかけが統計学的に有意に多く、親自身が広い語彙を使用、質問を多く発し、子どもが言ったことにポジティブなフィードバックをより多く与えている。また、子どもを促して、より多くターンをとらせようとし、会話がより長く進行し続けるように調整していた。では、2歳児の発話、実録で解説します私ムスメ(2歳10か月)「○○(ムスメの名前)、今日保育園で何して遊んできたの?」「ABCのパズル、2個のニモみたいなのあって、○○とAちゃんと交代して、Bちゃんと○○と交代して、あい、あい、あいって」(手渡すジェスチャー付きで)(2歳児になると、パズル、自分、友達、という3つの異なる情報を含む一定の出来事をあらわす文を処理することが出来るようになります。)「順番にパズルしたの?」「順番に交代してやったの。2人で交代して、3人で交代してやったの。」(会話のターン交代のタイミングをかなり理解し、自分が答える番が分かるようになってきます。また、質問されたことに対して、自分が分かる範囲でたくさんの言葉で答えようとします。)(上の言葉をキーボードで打ち込んでいる画面を見て)「ママ、パソコン押したから変なの出てきたよ~。」「字、出てきたね。(Aをしたから、Bが起きた、という簡単な因果関係を理解します。こういう出来事を記憶することもできるので、別の場面でパソコンを見た時に、自分で再現しようともします。因果関係で、何かを推測することはかなりたくさん行うようになる。赤い車を見て、「あの車、ちょんって、ぬりぬりしたから、赤くなったんじゃない?」など。人間の思考の特徴をみるようで面白いです。)「○○、今日のごはん春巻きだよ。」「春巻きって、はるま君みたいだね。春巻きって、はるま君に似てるね。」(対象物と概念の結びつきが出来ていると同時に、音韻そのものに関する注意も向けられます。)「Dちゃん、おともだち、野球に行ったの?」(年末にうちに来た私のバイオリン仲間のこと。野球観戦の話題になった。)「そうかもね。」「○○もパパと野球に行きたーい」「パパと野球に行きたい?」「うん。…あい、あい、あい。here you are, here your are, here you are」(手渡すジェスチャー付きで)(会話のトピックはまだ一貫性がなく、急に話題が転換したりもします。)「それ、飲んじゃって。熱い?」(お茶を飲んでみて)「あったかーい」(形容詞 熱い―あったかい―冷たい、や、明るい―暗い、などを理解します。)・・・まだまだありますが、こんな感じ。こうやって心理学的な視点から見ると、子どもの認知やコミュニケーション能力がどれだけ日々成長しているのかが分かって、感動します