秋に金沢八景に通い詰めて釣りまくったマハゼ。
焼き干しのハゼとなり保存しておりましたが、いよいよお正月も間近になり出番がやってまいりました。
東京湾の沿岸部では、秋になるとハゼを食す文化があります。
淡泊な白身…天ぷらにされたり、焼き干しにされてお正月に甘露煮やお雑煮の出汁として重宝されて来ました。
ハゼは縁起の良い魚です。
成長が早く、またすばしっこい気質で目の前に餌があれば必ず喰らい付くところから『食いっぱぐれない』『目標を早く叶える』とされ、甘露煮は江戸っ子のおせちの一角を占める欠かせない食材です。
我が家でも昔から正月には必ずハゼを甘露煮にして食しております。
今年もその甘露煮を作りました。
ハゼは焼き干しにして保存。

この焼き干しをまず戻してあげます。
鍋に竹皮を敷きます。
熱が通りやすくするため、竹皮には切れ目を入れます。

そしてその上にハゼを並べて行きます。

竹皮で包み、薄い番茶を注ぎます。

落し蓋をして4時間ほどじっくり火を通します。

番茶はハゼが持つ臭みを消す効果があります。
そして、4時間ほどしたら番茶を捨て、水とお酒を同量にし、じっくりと煮て行きます。
ここで登場するのは梅干し。
南高梅のハチミツ漬けを1粒投入します。
良い酸味と甘みだけでなく、ハゼの骨を酸の力で柔らかくしてくれます。
この行程は実に長く、煮詰めては水を足し、また煮詰めては水を足しを繰り返します。
ハゼの大きさにもよりますが、15cmクラス以上ならかなりの長時間になります。
ちなみに私は今回、約1日かけて煮ました。
味付けは、味醂と砂糖、醤油。
砂糖は普通のものと、味を単調にしないために三温糖を用いました。


だんだん仕上げつつ、これでよい!と判断出来たら醤油を入れ味を整えます。

このままでは甘露煮として照りが足りません。
最後の仕上げは味醂の仕事。
味醂を入れ煮たたせ、照りを与えます。
そして完成。


自分で楽しむだけでなく、お世話になっている方にもお渡しするために簡単な手を加えます。
水に戻した竹皮を甘露煮の包装に使います。
竹皮で包み、竹皮を裂いてあつらえた紐で縛ったら出来上がりです。

実に柔らかく、温かいご飯にも合う甘露煮に仕上がりました。
昔ながらの江戸の味。
今年も無事に作れてホッと致しております。
大晦日にまた更新致します。
本日もお読みいただきありがとうございました!