いよいよ大晦日。
本日は八つ頭とお煮染めを煮ました。
八つ頭…
しかしながらとても美味しい里芋の仲間です。
主に群馬、栃木、埼玉、茨城などの北関東や千葉県で収穫される芋です。
関東以外にはあまり出回らないため、他の地域の方には馴染みはないかも知れませんね。
この食材もまたハゼの甘露煮と同様に江戸の新春を祝うために重宝されて来ました。
一般的には里芋は親芋と小芋が分かれますが、この八つ頭と言う種類はくっついたまま。
なのでこんな武骨な形をしています。
何故に江戸の正月に重宝されたのか…
これもやはり縁起物とされた理由があります。
親芋がいくつも芽を出す姿から『めでたい』とか『子孫繁栄』の祈りを込められて食されたり、別名『頭の芋(とうのいも)』と呼ぶ江戸の庶民たちは『頭角を現す』や『人の頭に立つ』『出世する』とおめでたい新春のお祝いに食して来たのです。
と、言っても年月が過ぎ現代の世になると、皮剥きなどの手間を嫌う人が増え、知らないと言う人が増えて食卓に載せられることも少なくなった野菜です。
里芋と違いホクホクした食感でとても美味しいだけに残念でもありますが、我が家では欠かすことが出来ない野菜でもあります。
作り方は簡単。
他の野菜は用いずに八つ頭だけを煮ます。
シンプルな味わい方が一番良い芋です。
皮を剥き、出汁と砂糖、味醂、酒、醤油で味を整え強火で煮て、グラグラと煮立ったらとろ火にして1時間。
そしたら火から下ろして冷ましながら味を染み込ませるだけ。
これで完成です。
煮物はなるべく薄味で整え、冷める段階にて味を染み込ませる。
煮物の極意は煮て味を詰めすぎないことだと言えましょう。
そうすれば、面取りなどせずに形を崩さずに芋類は仕上がります。
もう1つ、作りました。
お煮染めです。
これも正月には欠かせない料理ですね。
何を用いなければならんとか決まりもありませんから、私は自分が好きな食材を用います。
里芋、人参、どんこ、レンコン、筍、絹さや、こんにゃく…
良くある普通の煮染めです。
まずは下準備から。
こんにゃくは中ほどに包丁を入れ、片方を潜らせて捻りを加えます。
人参は梅の型で抜きます。
あくまでも、なんとなく…ですが。
出汁と調味料各種を混ぜたものを大量に作り、一緒には煮ずにそれぞれを別にして煮ます。
お『煮染め』ですから煮詰めますから、最初に味を強くつけると思い切り濃くなりますので薄味で詰めて行き、やはりある程度まで来たら火から下ろして冷ましながら味を染み込ませます。
そして出来上がり。
そのあとは年越し蕎麦を打ちました。
先日も登場致しました辛味大根を使いますから、乱切りにして辛味が乗りやすい太さに仕上げました。
これにてお正月の用意は完了。
何とかのんびりと過ごせそうでホッと致しました。
今年一年、このような不躾者にお付き合いをいただき、誠にありがとうございました。
皆様に心より感謝申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。
来年もよろしくお願い申し上げます。
フィッシャーマン