はじめまして。
キャリアコンサルタントとワークライフバランスコンサルタントの藤本陽子です。
仕事をする場面においての成長と自立と形成について述べたいと思います。
キャリアコンサルタントとして、人の成長にかかわり早10年以上。
常々思うことは、人は何歳になっても成長し続けるということ。
しかしそれは、その人それぞれの考え方と行動が関係していて、学生時代以上に差が出てくる。
「キャリア」という言葉を聞いて、なんとなくの意味は分かるものの、
真の意味でのキャリアについては考える機会は少ない日本。
そこでみなさんに質問です。
「日頃意識して自分自身を成長させていること」ってどんなことですか?
ルーティーンの仕事しかできないと思い込んでいるある女性は、何かのきっかけでプロジェクトにかかわり、
自分の頭で考えものを作り出し、人を巻き込み、プロジェクトを成功させる。当初は到底できないであろう。
こんな難しい責任ある仕事をするのは嫌だと考えている自分もいた。
しかし、苦しい準備期間をチームで乗り越え、目標を達成した時の充実感は、
これまで得たこともないふつふつとした一種興奮できるものであったという。
その後、以前のようなルーティーンの仕事に戻った彼女は、そこに物足りなさと空虚感を感じてしまった。
彼女は成長したのです。
単調で変化のないルーティーンの仕事は、そこそこの責任とそこそこの忙しさ
(慣れてしまえばなんてこともない仕事)。
楽でいいやと考えていた以前の自分がいたのに、今は楽な仕事では物足りないと感じる自分に一番驚いていた。
「楽」と「楽しい」は同一なものでないことを学んだ。
日ごろ私の仕事は、学生や20代前半の未就職の若者に就労支援をする事がある。
彼らは口をそろえて、「楽」な仕事がいいという。
しかし、これは自然な事。
人間は楽なものに流れていきがちであるが、一度楽ではない楽しい仕事に出会うと、そこにはもう戻れない。
10代20代に多くの『楽ではない楽しい経験』を沢山経験してほしい。
これは、親や先生、周りの大人が与えられるものではない。
自分で経験するしかない。親ができることは、この経験のチャンスを邪魔しないこと。
「大変な事、辛いこと、難しい事はしなくていいよ。」ではなく
「やってごらん、大丈夫だよ。失敗したらやり直せばいいし、それも勉強だ」
と背中を押して見守ってほしい。
この経験をどれだけ深く、たくさんできたかがその後の仕事をするうえで自立性に繋がってくると思う。
人間的な器の成長が伴わなければ、いくら知識や技術力を学んでも、仕事で十二分に役立たせることは難しい。
なぜなら、組織で仕事をする事が大半であるから。
組織に属していなくても社会という一人ではない世界に私たちは生きている。
成長と自立の形成は仕事に必要なスキル。
それには、『楽ではない楽しい経験を乗り越えた経験』というスパイスが欠かせない。
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文責:藤本陽子
(一社)ワークライフバランス東海 会員
キャリアコンサルタント・ワークライフバランスコンサルタント
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