地方中小企業の新規顧客開拓

地方中小企業の新規顧客開拓

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以前の記事
『丸尾の行ってきた営業について その4』

私が新卒で入社した飲食業。
大手コーヒーショップチェーンでした。
(スペシャリティコーヒーショップ)

私がマネージメントを担当していた店舗では
以下の2点を徹底していました。



1.「注文前に作り始め、レジで渡す。」

来られるお客様は、
コーヒーのミドルユーザからヘビーユーザです。

注文いただく飲み物は大体どのお客様も毎回決まっています。
(種類、サイズ、フレーバー、トッピング等)

通常、店舗側は、
お客様がレジにて注文した後に飲み物を作り始めます。

そしてお客様は提供口に進み、
そこで飲み物が完成するのを待ちます。

まず私の店舗では、アルバイトの従業員にはお客様の顔と、
いつも注文いただくドリンクを覚えてもらいます。
(1日の客数は約500~600名です。)

店内から、来店されるお客様の顔が見えた瞬間に
そのお客様が注文されるであろうドリンクを作り始めます。

レジで注文後、レジから飲みものをお渡しします。

(たまに、通常とは違う飲み物を注文されることもあります。
その場合は、作り直すことになりますが・・・)

昼時などのピーク時にそれをすべてのお客様に
実行することは不可能ですが、可能な限り、
多くのお客様に実施できるようにしていました。

これを継続して行うと、無口でムスッとしたおっちゃんも、
とても気さくなおっちゃんになります。



2.「お子様の誕生日に・・・」

もう一つ、
アルバイト全員に徹底していたミッションがあります。

繰り返し来られる小さなお子様連れのお客様。

会話の中でお子様の年齢、誕生日を聞き出します。
(それとなく、アレルギーなども)

通常の会話の中で
どれだけ自然に聞き出すかがポイントです。

そして、誕生日(もしくはその付近の日程)
で来店された際にサプライズを行います。

ココア、ほっとミルク等にチョコレートで
絵やメッセージを描きプレゼントします。

もちろん、お客様には、
非常に喜んでいただけます。

お客様の喜ぶ顔も印象的ですが、
ありがとうと言われた
アルバイト従業員の表情がとても印象的です。

一般的には、利益を上げるには、
無駄を省き原価を抑えることが重要と言われます。

しかし、売り上げはそれだけでは上がりません。

マニュアルには無い”お客様を喜ばせる””ワクワク感”。

それは従業員のモチベーションを上げ、
成長につながるのだと気がつきました。

新規アプローチで
よく言われる言葉があります。


「すでに取引先がいるので・・・」


しかし、
実際は「100%取引先を変更する可能性はない!!」
というところはあまり無いようです。


購買担当者対象のアンケートを見ると・・・

・良い提案であれば検討する
・金額的にメリットがあれば提案する

という回答が多いのが事実です。


しかし、多くの場合、
「すでに取引先がいるので・・・」となってしまいます。

現在の取引先がに大きな問題がないのであれば、
担当者としては、

・取引先を変更するのは面倒
・自分がリスクを負いたくない

結果
・売り込まれるのがめんどくさい

となってしまうケースも多いようです。


私たち営業マンが、アプローチして来るということは、
相手担当者にとって、

”タスクを増やすこと”になり、
”社内でリスクを背負う可能性”と捉えられるのです。


相手にとって
タスク増加、
リスク増加
となる私たち営業マン。



新たに顧客を獲得するためには、
相手に動いてもらわなければなりません。

そのためには
必ず”共感を得る”ことが必要なのです。


以前の記事
『地方中小企業の新規顧客開拓 メリットを感じさせる』


既存の取引先と違い、
新規の訪問には事前準備(調査)を行います。

訪問前に、
先方のホームページは目を通すと思います。

会社概要等だけではなく、
リクルートぺージも重要です。

人材採用はどの部署に行っているのか。
採用の目的も確認しておきます。

■どの部署に採用を行っているか
■採用の目的


また、相手の業界についての記事、
相手の競合他社についても調べておく必要があります。

■業界の記事
■競合他社について

そして上場企業の場合は、
決算書関連も目を通します。

高度な分析が必要なのではなく、
売上、利益の推移、その理由を抑えていきます。

上場企業
■決算書:最近3年の売上の推移
■決算書:最近3年の利益の推移
■決算書:その推移の理由


未上場の場合は、商工リサーチや帝国データバンクなどの簡易調査で
売上、利益の推移を確認しておきます。

未上場
■簡易調査:最近3年の売り上げの推移
■簡易調査:最近3年の利益の推移


また、相手が役員の場合は、
出身地、出身校なども調べていきます。

その他
■役員の出身地、出身校など


もちろん、
上記調査内容を訪問中に、
すべて使い切る必要はありません。

抑えておくと、
訪問に対する心理的負担の軽減になります。
(気持ちが楽なのです)

会うことにメリットを感じていただければ、
再度会っていただける可能性は上がります。

しかし、
序盤でメリットを感じていただく
のはかなり難しいことです。

相手の役職が高くなるほど、
コスト観念はシビアになります。

メリットを感じなければ、
時間をとってくれなくなる場合があります。

どのようにメリットを感じていただくか?

例えば、
こちらに多大な実績や、
権威がすでにある場合であれば・・・

会うことにメリットを感じてもらうことは
容易にできるでしょう。

しかし、
無名中小企業の、
若手営業マンなどが訪ねて行って、
メリットを感じてもらえるか・・・?

非常に難しいことです。


相手がメリットがあるかどうかを
判断しているポイントが他にもあります。

それは、「こちらがする質問の内容」です。

質問の内容により、他の営業と違い、
役に立つかどうかを判断しています。

ただし、
相手が購買担当者や、
経営陣などの役職が高い方などは、
営業マンの対応は数多くこなしてきています。

”同じような営業マン”が訪ねてきて、
”同じような質問”を繰り返し受けています。

そこで、適切でない質問を行うと、
自ら信用を落とすことになります。

適切でない質問がどういったものか。

例えば、
HPに記載されている基本的なことです。


「御社の従業員は何名ですか?」
「御社は拠点数はいくつありますか?」
「御社が扱っているのは最終製品ですか?部品ですか?」

といったような段階からの質問を
してしまうケースです。

既存の取引先と違い、
新規開拓の訪問には必ず事前準備(調査)
が必要となるのです。

以前の記事
『地方中小企業が新規顧客開拓を行う為に、アプローチ前半で必要となる”関係強度”』


「企業向け」、「金額が高額」、「内容が複雑」なものほど
すぐに購入につながることはほぼありません。

その理由は、以下3つにより
購入の意思決定が複雑、困難になるからです。

・「企業向け」であるために組織としての決定となる
・「金額が高額」であるために、買う理由の高い明確性が必要
・「内容が複雑」であるために、相手は判断が困難

企業に対して、
「必要性の認識」をさせることは簡単ではありません。

営業マンの役割は、
「必要性の認識」を購入に至るレベルまで上げることです。


「必要性の認識」を上げる(相手と変化を共にする)為には、
関係を構築する必要があります。


そのために必須となることは、共感を得ることです。

ここで必要となる「共感」とは。

調べると・・・こうあります。

「他人の体験したこと感じていることを、
自分自身も同じように感じたり理解しようとすること。」

単純に、相手の言ったことに「同意する」だけでは
共感には至りまりません。

ポイントは、”背景を知ろうとしているか”です。

さらに正確に言うと、背景を知ろうとしていることが、
”相手に伝わるか”です。


単純に、会話の流れだとこうなります。

【同意する会話】
------------------------------------------------
(相手)○○で大変だったんだよ・・・
(あなた)わかります。⇒同意
------------------------------------------------

【背景を知ろうとする会話】
------------------------------------------------
(相手)○○で大変だったんだよ・・・
(あなた)わかります。⇒同意
(あなた)具体的にはどういうことですか?。⇒背景を知ろうとする
(相手)実は・・・
(あなた)本当にそのとうりですね。⇒再度同意、共感
------------------------------------------------

単純に会話の流れではこうなりますが、
ポイントは、背景を知ろうとしていることが、
本当に”相手に伝わるか”です。

すなわち、
”受注が取りたい営業マン”の目線だけではダメなのです。

相手が、経理だったら経理、工場長だったら工場長、
経営者だったら経営者の目線になることが必要となります。

そして、常に相手の立場になり、
同意して、一緒に考える必要があります。

相手(個人、企業)の背景を知ることは、後に必要性の顕在化、
提案を行う際に他社と違いが出てくる部分でもあります。