地方中小企業の新規顧客開拓 -2ページ目

地方中小企業の新規顧客開拓

地方中小企業のための新規顧客開拓
どんなに地方企業でも!どんなに無名企業でも!どんなに後発企業でも!

以前の記事
『地方中小企業の新規顧客開拓 好感を得る』

以前、同僚と話をしていた時のことです。
その同僚が家を建てようと思っていると言いました。

ハウスメーカーはどこにするか決めたか?と聞くと

同僚は、2つ候補があり、
その2つのハウスメーカーより営業を受けていた。

そのうちの片方に決めたとのことでした。


どうしてそのメーカーに決めたのかを聞きました。

片方のハウスメーカーの営業マンは、
非常に丁寧、親切。提案も非常によかった。

しかし、
もう一つのハウスメーカーの営業マンは普通でした。


結果、どちらに決めたかというと・・・

普通の営業マンの方に決めた。


なぜ、提案が良いほうを選ばなかったのかと聞くと・・・

同僚はこう答えました。

「非常に丁寧で、提案もよかったが、
その営業マンのスーツの肩のところにフケが積もっていた」

「それを見ているとどうしても信用できず、
もう一方に決めた」

とのことでした。


フケによって数千万の受注を失う話。
私自身、営業としてドキッとした経験でした。

相手との関係を構築するためには、
序盤での印象はとても重要です。

御存じの方も多いかと思います。
”対人の壁”についてです。

人間は対人関係を築くときに、
まず受け入れてよいかを判断します。

対人の壁をクリアしなければ、
対人関係を作ることが困難ということです。


■1番目の壁
「外見」です。

こちらの服装や、髪型などです。
これは特に0.6秒で判断されるといわれます。
「お世話になりまーす」の時点で決定しています。

■2番目の壁
「態度」です。

立ち方や座り方などです。

■3番目の壁
「声の大きさ、言葉遣い」です。

■4番目の壁
「話の内容」です。

ここにに来てやっと話の内容です。


”メラビアンの法則”によると

1~2番目までの印象への影響⇒55%
3番目の印象への影響⇒38%
4番目の印象への影響⇒7%


ここで注意点があります。
「判断するのは、相手」だということです。

ですので自分がOKだと思っていても、
相手がOKでなければダメなのです。

必要なのは、客観的に、
他の人にチェックしてもらうことです。

若手の営業マンの方であれば、
社内でも注意してもらえることがあるかもしれませんが、

年齢が上がり、役職も上がると周りからは言ってもらえなくなります。


また、
心理学で”初頭効果”と言われるものがあります。

初頭効果とは・・・
人は最初に与えられた情報で相手の印象を固めてしまい、
その後に入ってくる情報は、この基本的印象に合致しないものは捨て去るか、
合うように意味を変容させて取り込んでいく。

簡単に言うと
はじめの印象がその後も継続するということです。

まして、新規個客開拓の場合、既存取引先と違い、
いつでも会えるわけではありません。

一度、与えた印象を変えることは非常に困難です。

ぜひ、定期的チェックしてもらってください。

以前の記事
『地方中小企業の新規顧客開拓 初回訪問の目標』


初回訪問は、
ハードルを高く設定すべきではありません。

しかし、
気を付けるべきポイントがあります。


■面会時間

「時間は短く」10分程度

長く話ができたほうが良いと思われるかもしれませんが、
この段階(特に初回)は短めに切り上げるべきです。

再び会っていただくためには、
「”時間を頂いていること”を理解している」
と示すことがとても大事です。

もちろん話の盛り上がっている場合に、
無理に断ち切ってはいけませんが・・・

初回訪問は10分程度と考えて臨みます。


■基本姿勢

1.「対等」過度にへりくだらない

一番大事なことですが、
相手と対等な姿勢で話すことが大切です。

必要以上にへりくだらないようにしましょう。

過度にへりくだった姿勢は、
相手から見た自分の価値を下げる可能性があります。
(もちろん、横柄な態度は問題外ですが)

礼儀をつくし、
対等な立場で話をします。

もしその相手が、過度にへりくだらなければ、
話ができないような場合はどちらにせよ良い取引はできません。


2.「基本的には聞く」

相手に話してもらうように質問を
するのが基本スタンスです。


■避けるべきこと

1.売り込み、カタログ説明

訪問してこれを始めてしまうと、
再び会うことが困難になります。

人と人。
まず、あなたに会いに来たという姿勢が大事です。
相手を単なる企業の窓口として扱うべきではありません。


2.質問攻め

基本的には聞くスタンスですが、
質問攻めになってはいけません。

話が途切れるのがまずいと思って、
矢継ぎ早に質問を連発しはいけません。

また、
用意していた質問をすべて使い切る必要もありません。

上記のポイントは、初回に限らず、
序盤の面会では常に当てはまることです。


以前の記事
『地方中小企業が新規顧客開拓ができない、根本原理』
『地方中小企業が新規顧客開拓を行う為に、アプローチ前半で必要となる”関係強度”』
『地方中小企業の新規顧客開拓 セミナー後、購入に導く営業マン』
『地方中小企業の新規顧客開拓 顧客は変化する』


やっとアポイントが取れた!

せっかく得たチャンス!

気合は十分!必ず受注するぞ!!

今日は何とか商談の糸口をつかむ!!!

そのためには、相手の抱えている課題を引き出す!!!

となりがちですが・・・


「受注するぞ!」「何とか商談の糸口を!」は、
相手にYes/Noを迫る姿勢につながります。

その姿勢は、「企業向け」、「金額が高額」、
「内容が複雑」なものほど自らNoを求める行動になります。

訪問は、 ハードルを高く設定すべきではないのです。

「初回訪問の目標は、初回訪問」
でよいのです。

相手に会うことが目標です。

「行くからには、
受注につながる糸口をつかむべき」
と考える必要はありません。

まず必要なのは、
関係を構築することです。


あえて目標立てるとするなら、

・セミナー後のアプローチだと、セミナーの感想を聞く。
・悪い印象を与えない
・少し話をして、知り合いになる

といったレベルで良いでしょう。

以前の記事
『地方中小企業が新規顧客開拓を行う為に、アプローチ前半で必要となる”関係強度”』
『地方中小企業の新規顧客開拓 セミナー後、購入に導く営業マン』


地方中小企業が新規顧客開拓を行う方法は、
Yes/Noを迫らずに、いかに”関係強度”を高めるかです。

Yes/Noを迫る行為の典型が、
自分の担当する商品・サービスの紹介、説明をすることです。

とはいっても、

自分は営業担当。

営業担当とは、商品。サービスを売ることが仕事。

そのためには、
説明をしなければ・・・と思われるでしょう。


しかし、
あなたの担当する商品サービスが、

「企業向け」、「金額が高額」、「内容が複雑」なものほどこの段階で、
購入につながることはほぼありません。

その理由は、以前お話ししましたが、
以下3つの理由により購入の意思決定が複雑になり、
時間が必要となるからです。

・「企業向け」であるために組織としての決定となる
・「金額が高額」である為に、買う理由の高い明確性が必要
・「内容が複雑」であるために、相手は判断が困難


Yes/Noを迫ると、
相手は決断をしなければならなくなります。

当然この段階で、
決断するのであれば、Noでしょう。

この段階での商品説明は、
自らNoを求めているのです。

営業マンの仕事は、
商品説明(Yes/Noを迫ること)ではありません。

Yes(購入を決断)に至るまで、
組織としての「必要性の認識」を上げることなのです。

そのためにも、
まず営業マンが理解すべきことは
「相手は変化する」ということです。

顧客と変化のプロセスを共にするために、
まずは、初回訪問から、関係を構築していくのです。


1.相手は変化することを理解する

2.関係を構築する

3.変化のプロセスを共にする


中小企業が新規個客開拓を
行うことは簡単ではありません。

だからこそ、新たに顧客を獲得する力は、
自分自身にも大きな価値となります。

市場に依存しない、
場所にも依存しない貴重な力です。