
バイクネタもスキーネタもすっかりご無沙汰になってます。
最近は例年以上に出張が多いのが原因・・・というわけでもないか。
毎年冬はバイクに乗る機会も激減するので、まぁ仕方ないですね。
ところで。
最近、あることから友人の板を預かることになりました。
長い板ではなく、ファンスキー。
今回は、それに乗ってみた・・・
という話ではなく。
せっかくなので、「チューンナップとか定期的に出してなくて、ソールが荒れている状態」というよくある状態からソールを綺麗にするまでの工程を残しておこうというお話です。
ちなみに、基本的な手順はホットワックス手順の記事を参照ください。
※アマチュアスキーヤーのセルフメンテナンスによる記事なので、板のメンテナンス情報を探してここに辿り着いた方は、その技術水準を前提として参考にして頂けるとうれしいです。
前置き長くなりましたが、ではさっそく。
まずは、着手前の全景。
これだけ見ても、ちょっとわかりにくいですね。
では拡大。
ソール、だいぶ荒れてます。
お肌に例えると、カッサカサ荒れ荒れの乾燥肌。
スキーやスノボをやる人にはお馴染み、ソールの白い痕は雪面との摩擦によってできたソールの「ケバ」です。
板のベースメイクでは、このケバを取る作業が重要になります。
これはテール側のソール。
ツインチップの板では、こんな位置にケバが出やすいですよね。
また、ケバは主にトラクションかかる場所に多く出ますので、スキーの場合は内側のエッジ付近が白くなりやすいです。
つまり、上の写真の場合は手前側の板が主に左足で履かれているということですね。
(だから何だという話ですが笑)
では、このいかにも手強そうなケバを取るわけですが。
まずは汚れと古いワックスを一緒に落としていきます。
そしてついでにケバも立たせちゃう。
いきなり、秘密兵器。
コスラボのスチールワックス。
ナイロンブラシでは弱すぎるし、ブロンズやブロンズ/馬毛のミックスでは強すぎる。
このブラシは文字通りスチール毛のブラシで、毛の細さ馬毛ブラシ並みで、強さはナイロンとミックスの間くらい。
なので、細かい汚れがおっそろしく簡単に掻き出せます。
使い方はミックスブラシと同様で、優しく撫でるように使います。
軽く撫でただけで、こんなに汚れが取れます。
というか、だいぶ汚れ溜まってたんだな~。
スチールブラシをかけるとケバも浮く(立つ)ので、それをスクレーパーでカットしていきます。
スクレーパー汚いとか言わないで笑
使う前にはシャープナーとかヤスリとか使って研いでやります。
スチールブラシはミックスより柔らかいといっても、やはりソールを傷つけることには変わりはないので、スチールブラシは1回だけにしておきます。
なので、
スチールのあとはセオリー通りナイロンブラシでブラッシングしてやります。
ホットワックスの手順では、
(1) アイロンでワックスぬりぬり
(2) スクレーピング
(3) ナイロンブラシ+スクレーピング
(4) 馬毛ブラシ
が一般的ですが、ワックス入れる前に (3) をやって大きなケバを取ってやります。
そして、ベースメイクなのでワックス投入後のブラッシング+スクレーピングは 2回以上繰り返してケバ取りしていきます。
具体的には、今回のベースメイク全体の工程としては以下のようになります。
(1) スチールブラシ+スクレーピング * 1回
(2) ナイロンブラシ+スクレーピング * 2回
(3) クリーニングワックス投入(アイロン)
(4) スクレーピング
(5) ナイロンブラシ+スクレーピング * 2回
(6) 馬毛ブラシ
(8) ベースワックス投入(アイロン)
(9) スクレーピング
(10) ナイロンブラシ+スクレーピング * 2回
(11) 馬毛ブラシ
と、こんな感じ。
時間が許せば、(8)~(11)の工程は3回くらい繰り返したいです。
まずは、スチールワックスとナイロンブラシをかけたところ。
これだけでも、いくらか綺麗になってますね。
(まだカッサカサではありますが)
今回はちょっと作業時間も限られていたので、このあと
(1) クリーニングワックス(ガリウム)
(2) スクレーピング
(3) ナイロンブラシ
(4) スクレーピング
(5) 馬毛ブラシ
この流れを 2回繰り返しました。
結果。
ツヤツヤになりました

未着手の板との比較。
まずは、カッサカサの状態からは脱しました。
次に、本格的にベースワックスを投入します。
ベースワックスとしてよく使っているワックス。
R≒0(アールゼロ)の「EMERALD(エメラルド)」
これ、すっごく硬いので入れ難いんですが、ベースメイクにはめっちゃ効果あります。
(ぶっちゃけ、これだけでも結構走ります。)
ワックス投入した後は少し冷やして定着を待ちます。
いつもは一晩置きますが今回は時間が無いので 1時間ほどベランダに出しておきます。
そして、定着後の工程は先のクリーニングワックス手順と同じです。
スクレーピング→(ナイロンブラシ→スクレーピング)*2→馬毛ブラシ
さて、気になる結果は。
全景。
トップ側
テール側
え?
クリーニング後から変わってない?笑
ちょっと最初から比較してみましょう。
ビフォー&アフター
まずは全景。
では個別に。
着手前のトップ&テール
スチールブラシ後
クリーニングワックス後
ベースワックス後
あー。。。
確かにクリーニングワックス後とベースワックス後は写真見比べてもわからないかも笑
滑ってみるとまったく違うんですけどね。
本当は、このエメラルドの工程も2~3回繰り返して、ケバを完全に除去してから滑走ワックスを入れるんですが、残念ながらここでタイムアップ。
まあ、これでも未着手のケバ立ってる状態に生塗りワックスするよりは遥かに走ります

ひとまず、ベースメイクはここで終了です。
板がケバ立ちまくって困っている方の参考になれば幸いです。
P.S.
こっちは俺の板です。
チューンナップ出してるのでストラクチャーも入ってます。
理想は、今回の記事の状態からこの状態まで近付けることなんですが、なかなか難しいです。
(維持するだけならそんなに難しくないですが)
やっぱり、チューンナップの効果って絶大なんだなと思います。
「そもそもホットワックスとかむりー」という方はチューンナップに出されることをお勧めしますが、まずはナイロンブラシ+スクレーパーだけでも揃えてやってみると色々と変わるかもしれません。(道具メンテのモチベーションとかも含め)
ではでは。