こんにちは。
萩尾望都ファンなら読んでいらっしゃるのでは…私もだいぶ前に予約して忘れていて、
Amazonで2冊買ってしまったのですが、友達に読んで!と渡すのによかったので
後悔はしていません。
最近読み漁った萩尾先生の本のなかで、とにかくマンガをいまでもたくさん読み、気に入ったマンガは
何冊も買って布教しているとのこと。それに比べて1冊を友達に渡した自分、スケールが小さい。
 
読んだ方はもうお分かりだと思いますし、読んでいない方も70年代80年代初期の少女マンガが好きだった方なら、
「大泉」でピンとくるのではないでしょうか。
 
といっても私はそんなに詳しく知っているわけではなかったのです。大泉サロンとかカトレア養老院とか、言葉としては知っていたというだけで。
 
大泉「サロン」と呼ばれた、萩尾望都と竹宮恵子が共同生活をしていた長屋に、ささやななえ、山岸凉子、佐藤史生など錚々たるメンバーが遊びに来てはマンガを描き、アシスタントしあって(当時はプロのアシスタントさんがいなくてお互いにアシになっていた)マンガについて語り合い、盛り上がっていた楽しげで華やかな時代があったけれど、2年ほどで解散となり、その後萩尾望都と竹宮恵子は決定的に袂を分かつことになった。
 
読んでいても自分の過去の経験などがよみがえり、誤解されて一方的に言い募られる息苦しさや言葉の出ない時間などがリアルに伝わってくるのです。
 
ただ、人間関係の齟齬というか生々しい傷跡というだけではなく、デビュー当時全然人気がなかったことやボツがつづいたこと、見出されて自分の好きな世界を雑誌に掲載することができるようになったことなど、読んでいるうちに、昔の作品からもう一度たどりたいという思いになってしまうじゃないですか。なりますよふつう。

 

 
ということですでに読んだことがあるのみかたぶんうちのダンボールの中に入っているはずだし、
2回は買ったものもあるのですが、文庫は解説もあるし、
とこの1か月半で萩尾望都ラッシュがつづいています。

 

 

 
『大泉』に関係するツイートに紹介されていた古雑誌。買えてよかった。
そしてこれは読みごたえがありました。

 

 
対談集はずっと前に1冊読んでいたのですが、いつのまにか冊数もふえていました。
今回全部読みました。

 

 
これは中学時代に出て、喜んで買って長年持っていたのですが、
ある時失くしてしまい、検索したら手ごろな価格で買えるように
なっていて買いなおしました。

 

 
『大泉』の中で、木原敏江さんと山岸凉子さんのエピソードは心あたたまるものがありまして。
山岸凉子さんのマンガはすでにどっぷりはまっており、読んでいないマンガはほぼない状態ですが、
木原敏江さんは『摩利と新吾』を連載ですべて読んだ、以外はあまり記憶がないのです。
 
しかし少し前に読んだ、『薔薇はシュラバで生まれる-70年代少女漫画アシスタント奮闘記』笹生那実で、
美内すずえ先生のアシスタントをやっていた時に、遊びにきた木原先生について美内先生がそのセンスを褒め、
ドジ様はもののあわれを知るひとなの、と評したエピソードが残っていて、この本も買ったのでした。
すごく面白い、興味深い本でした。表紙が摩利と新吾なのもうれしい。池田理代子さんとの意外な交友や松田奈緒子さんが
アシスタントだったことも初めて知りましたが、池田さんとも松田さんとも本を介して親しくなっているエピソードが木原先生らしいというか…。

 

 
『大泉』を読んでわがことのように心配したり悲しくなったりしたこともありましたが、
それ以上に萩尾先生のマンガがもう一度読みたい、という思いがつよくなりました。
 
すきなわりに『あぶない丘の家』も今回はじめて読みましたし、読んでいない作品が
まだまだあることに気づき、当分、楽しい日々がつづきそうです。
 
私が中学時代からいちばん好きな萩尾作品は『トーマの心臓』なのですが、萩尾先生ご自身も『トーマの心臓』が一番好きだと書いていらしたので、それだけでもう十分、という気がしました。
なお一番好きなキャラクターはエドガーだそうです。やっぱりね♡
 
ではでは♪