都築響一さんんの書くものはみんなすきなので、
ハズレはないだろうと思って借りてきました。
ハズレはないどころか、巻末にはナンシー関の
名作コラム、ヤンキー的なるものの考察が4本ありましたー。
工藤静香姫のヤンキー解禁(極妻出演とかの頃に書かれたようです)、
X-JAPAN ヨシキの考察、島袋寛子がSPEED解散後に口にした、
お店をやりたい発言とヤンキ―の血。なかでも、
横浜銀蠅的なるものは日本人の五割に支持されている、
というのは卓越したヤンキー論であるといえましょう。
ほか16名の方がヤンキーについてさまざまな見地から発言しているのですが、
都築響一さんのいうとおり、彼らの中にはヤンキー文化のただなかにいた人はひとりもみあたらないようです。
酒井順子さんが女性ではただひとりヤンキー論を寄せていまして、
(ナンシー関のコラムは没後なのでコラム集から転載)
1966年生まれの酒井さんが「ギャルズライフ」をひそかに読んでいたことに
妙な共感をもってしまったのでした。
当時、お嬢様女子高生であり「オリーブ」にペンネームでエッセイを書いていた酒井さんが、
(たしかマーガレット酒井だった気がする)
「ギャルズライフ」と来たか。すげぇ。どんな雑誌かといえば、「マカロニほうれん荘」にときどき出てくるスケバンがリアル化したような黒いマスク(どこで買うんだろう)に足首までのスカート、わざと縦に入れる頬紅しかも黒、みたいな人々が表紙になっていたりする雑誌ですよ。
何で知ってるのか。
というくらいだから私も買って読んでいたわけですが。
スケバンのリンチのやり方とか、授業中にやるとんでもないヒマツブシとか、
どこが「ギャルズライフ」じゃ、って感じですが、なんで読んでいたんでしょうね私。
「オリーブ」や「non・no」は恥ずかしくて買えないし読めなかったんだが、「ギャルズライフ」は
じっくり立ち読みしてから買うってどんな基準なんだろう。
ここに西原理恵子のマンガの引用があってもよかったなあーと思うんだが、それはナイ。
私自身は遅刻はものすごく多いが欠席はそうしない、成績はよくないが掃除や文化祭などの後片付けは最後まで残る、というマジメでもヤンキーでもない、ふつうの生徒(そうか?)だったのですが、
社会人となって最初の勤務先がまさにヤンキー文化まっただ中でした(笑)。
で、当時から謎だった彼らがなぜ女物のサンダルを履くか、の謎ですが、
キメすぎを躱して異相を際立たせる、いわばカブキものとしてのオシャレであるという見方と、
ヤンキーは可愛いものがすきなんだ、という見方がありました。キティちゃんとか彼らはキャラクターものもすきでしょう、という…。
じゃ、紫のラメサンダルは、あれはなんなんでしょうね。
当時校内一の悪だな、というリーゼントのヒサシも突拍子もないくらいでっぱった、それでいて怖いくらいにやさしい言葉遣いのヤンキーがいたのですが、
足元は女物Sサイズ(たぶん)の紫ラメサンダル。もちろん校則違反だが、どこの現場にいくつもりか、のボンタンも、丈も幅も極端につめた学ランも、すべてが校則違反なのでなにをいまさらって感じ…。
私は「ギャルズライフ」は読んでいたが、リアルヤンキーのファッションセンスはわからんかったー。
公然の仲の彼女がいてもちろんこちらも校内一の悪なんだが、彼女がミニモニ。サイズだったので、
彼女のサンダルをラブラブの象徴として穿いているのかなあ、と考えていました。違うだろ絶対。
だれかヤンキーの女物サンダルの謎を納得がいくように解明してくれ。なんのためにかは知らないけれど。
ではまたー。