微生物が未来を救う 別冊 課外授業ようこそ先輩
小泉武夫
市立図書館のテーマ陳列が今月は「エコ」らしく、
「エコロジー幻想」ほかとともに借りてきた一冊。
でも、読んでみたらこれが、
「もやしもん」の世界…。
微生物学者・小泉武夫さんの生家は小泉酒造。
わんぱく小僧時代から、とにかく、食いしんぼうで、
口に入るものならなんでも食べたというのですが、
「時々鶏が一羽いなくなるんだよ。それでイタチを捕まえてやるぞ、
といいながら、じつはおれが食ってたんだよ」
というのですが、鶏をひとりで捌いてたべていたってこと?と驚く私。
鶏農家は近所にありましたが、しめているところはみたこがないもんなあ。
小泉さんの出身地は福島県田村郡小野新町(合併して小野町)なのですが
緑豊かなところで、ガキ大将でとにかくなんでも食べる少年は、
カエル(赤ガエルが美味、と絶賛されましても)、ヘビ(シマヘビが…以下省略)、
雀(10匹くらい串に刺して、漬けてよく焼いたやつをコリコリたべるのが…以下省略)など、
べつにたべるものに困っているわけではないのですが、
なんでもたべて育ちます。
母校の小学校にやってきた小泉さんは、子どもたちにまず、
臭いたべものを紹介します。
それはなにかというと、スウェーデンのシュールストレンミング。
妨臭着をまとって缶をあける危険物質(笑)。
くさや、ヨーグルト、ふぐの卵巣のぬかみそ漬け。
ふぐの卵巣って毒じゃないのかーと思いますが、
その毒はぬかみその中の微生物が解毒してくれて
いたんですね。5年がかりで。
こうして「匂い」からはじまった授業は、
「発酵学そのもの」であるという、納豆、ヨーグルト、甘酒を実際につくる授業にすすみ、
小泉先生の実家である酒造の酒蔵を見学したりもします。
発酵と腐敗の違いも、まず、「匂い」で教えるところに、
なぜか分からないが、感動してしまった。
それから、自然の中にある超能力微生物たちの
話もおもしろくて、キジのウンコの中にある、色を消す、
脱色酵母は実用化されて、トイレに流す水の色を消すのに
役だっているそうです。
発酵、酵母、微生物。
ほんとうにおもしろい授業で、何歳に戻りたいとかあまり
思ったことのない私ですが、こういう授業を受けてみたかったなー。