40歳からの心理学 香山リカ
もちろん、香山リカはペンネームなのですが、1960年7月1日生まれ、
北海道(札幌ですが)出身、というと、
まついなつきさんもそうなので、ふと、3人の男の子のお母さんで
いまは占い師、という道と、独身で精神科の臨床医でもあり、
大学教授という道が、おなじ日からはじまっていたんだなーと思うと
感慨深い。おふたりとも今年50歳になられます。
そのおふたりの20代からの読者だったのですが、
香山さんの書くものがすこしずつ優しくなってきた気がします。
この本が主に女性誌や新聞に書かれたエッセイ集である
という性格上なのかもしれませんが、
自分がなぜモテないのか、ということを冷静に分析した
文章には、ホントかウソか、かつての同級生たちがあまりにも
モテない香山さんを心配して、
「カヤマがなぜモテないか考える会」まで発足していた、という
エピソードまで披露されています。そ、そんなに?
もちろん、取材用のいわば変装アイテムなのでしょうけれど、黒の四角いセルフレームに
きりっとした顔立ちで、モテないとは思えないのですが…
しかし、そういうエピソードも書いちゃうあたりが、ああ、なんかやわらかくなった、
と思うわけだ。
金井美恵子、椎名林檎、矢沢あいなど、ええっ、香山さんもお好きですか?と
思わず身をのりだす固有名詞があったりで、
しばらく読まなかった(雅子妃についての本を読んだあたりから、ちょっとなあ、と思って
離れていたのだ)香山さんの本ですが、
患者さんにむしろ救われているのだ、という言葉に、昔読んだ、たぶん、「自転車旅行主義」とい
エッセイ集を思い出してなぜか懐かしくなってしまったのでした。