西原理恵子さんの『女の子ものがたり』、
お読みになったかたも多いと思いますが、
私は主人公のなつみが、小さい頃「なっちゃん」と
呼ばれていた頃のものがたりがすきです。
(成長とともに「なつみ」と呼ばれるようになっていく
のですが、次第に、ますます彼女のまわりは
過酷になっていきます)
冴えない女の子3人のグループに
入っているなっちゃんですが、
内心、自分はこの2人はすきじゃない、
本当の(自分にふわさしい、すてきな)親友は
遠いどこかにいて、いつかきっと、と
思っています。
うそつきで平気で人のお金をとるきいちゃん
(彼女はのちに、ほんとうに辛い事件から
誰よりも早く大人になってしまいます)
親がまったく構ってくれなくていつも汚いかっこうを
しているみさちゃん
(彼女はしあわせな家庭をつくることに一生懸命だったのに、
夫に暴力を振るわれて大けがをし、入院します)
冴えない子ども時代から次第に苛酷になっていく少女時代を
脱して、大人になり、念願のイラストレーターとして成功している
なつみが愛しく思うのは、
きいちゃんとみさちゃん。
二人は友達だ。
あんな友達はもうできない、と
小さかった頃の自分たちを思い出すマンガのラストシーンが
いつまでも忘れられません。
余談ですが、西原理恵子の他のマンガに出てくる、
「きみちゃん」という、
クラスの女王みたいな華やかで成績も優秀な女の子に、
田んぼに突き落とされてみんなに笑われる女の子が、
「きいちゃん」と「みさちゃん」になったんじゃないかなあ、
というのが私の推測です。
『はれた日は学校を休んで』だったかなあ。