マンガの『女の子ものがたり』で印象に残っているのは、
小学5、6年生になったなっちゃんが、
可愛がっていたインコが猫にころされて、
自分の毎日に「すき」がなくなったと思う、
(学校はつまらないし、
男の子たちは乱暴で、
友だちのきいちゃんとみさちゃんにも心をひらけない、
家はお父さんとお母さんが喧嘩してばっかり)
それから、
自分の「すき」をみつけるために、
毎日海に向かって、絵を描きます。
海と空の青は違うし、
海の青も、近くと遠くでは違う、
水平線と、そのむこうにある緑。
すべてを色だけで描き分けるために、
なつみは毎日海に向かって、
スケッチブックを広げます…
だれかがきっとしあわせにしてくれる、と
夢想していた女の子が、
じぶんで「すき」を見つけるために絵を描きはじめる
このエピソードを思い出すと、
こちらの胸にも
空と海の青が
広がっていくようです。