
本文はここから
誰に、という問題もあるんですが、
春先の小旅行のお供にもっていくなら、という
前提に勝手にしちゃえ。
文庫本がいいですよね。
京都へいくなら、断然倉橋由美子の『暗い旅』。と
2人称単数の小説。
あなたはバッグの中身を整理しなければ、と思う。
みたいな文章で描かれている、失踪した婚約者を
探して(探しているのか?)京都を旅する若い女性の物語。
季節は冬だったと思うんですけどね。
駅弁を食べつつ読むなら、『孤独のグルメ』。マンガですけど、
格調高いマンガなんですって。文庫本で読んでもらいたい。
森茉莉の『贅沢貧乏』。できたら、昔の新潮文庫で。
これも駅弁を食べつつ読むのに、とても合います。ええ。
星新一の『ボッコちゃん』。いや、新潮文庫ならなんでもいいんですが。
春の小旅行に真鍋博さんのイラストはよく似合うと思うわけで。
駅弁3個、文庫本5、6冊も読んだら、そこで春の旅は終ります。
小さな駅のホームに置いてある、白いプランターに揺れているのは、
赤、白、黄色のチューリップ。
あー、のんびりした旅だった。