中島梓 (ポプラ文庫)
入院したことのない時は、病室のベッドにずーっと
寝ていて、退屈なんだろうなあ、と
思っていたんだけど。
でも検査とか体温を測るとか、人によっては
リハビリとか、けっこう入院生活は忙しい!
身うちのものの入院も、40歳を過ぎたころから
ちょくちょくあるようになったので、病院の
あの匂いは、こうしてぱそで字を打っていても、
思い出せるよ。
給食の匂いと消毒薬の匂い、人の体臭、いろんなものが
混じった独特の匂い。
最近の大きな病院でも、あの匂いは変わらないんですね。
中島梓さんは、もっと若いころ
『アマゾネスのように』で乳がん経験を
書いていますが、今度は内臓のがん。
入院していて困るのは、日常生活ではあたりまえに
できたことや、自宅にあった小物、常食のもの、
などが一切奪われて、「入院患者」として
暮さなければならないこと。だったなあ。
雑用に追われて、疲れたりすることもあるけれど、
自分のペースで暮らせる今のしあわせを、
もっと噛みしめないとなー。
ピーターラビット、は、中島梓さんの旦那さんが
病室に置いてくれたぬいぐるみのピーターラビット
のことでした。