上着のえりや そでのふちには、ばらとパンジーの花が
ししゅうされ、チョッキは けしと やぐるま草で
かざられていた。
なにもかも きちんと仕たてあげられ、ただべにいろの
ボタン・ホール ひとつだけが、かがられずに のこっていた。
そして、そのボタン・ホールのあるべきところに、
小さなかみが とめられて、とても とても小さな文字で、
「あな糸がたりぬ」
と かいてあった。
そう。貧しい、けれども、ネズミたちのために、
小さな切れ端やレースをとっておいたりする、
やさしい仕立て屋さんを援けてくれたのは、
ネズミたちでした。
クリスマスのものがたりは、ハッピーエンドが好きです。