眠っている女の人って、なにか想像力を触発するものがあるのでしょうか。
眠り姫とか、眠れる美女とか、そんなタイトルのついた小説がけっこう
あるような気がします。作者は、たぶん、全員男性です。
それはともかく。
童話の「眠り姫」です。
けっこう長い物語ですよね。じつは。
なんとオーロラ姫は双子の男の子と女の子を産むんじゃなかったっけ。
お姑さんが、また魔女だったか人食い鬼だったかで、ひと悶着あるんだ。
スゲーなあ。
でも、私が取り上げたいのは、
お姫様の誕生パーティに呼ばれなかった、13番目の魔女のことで。
食器が12皿しかなくて、招ばなかったって言うんですが、言い訳ですよねもちろん。
たぶん、もともと敬遠されていた魔女なんですよ。
でもねー、他の魔女たちは招待されていて、自分だけが招待されなかった!!
って、これは、僻みますよたぶん。
思わず、姫に対する呪いの言葉を吐いてしまって、一番、後悔したのは、
本人(魔女)だったのでは。と思いたいところですね。
それを救うのが、12番目の魔女。
13番目の魔女の、呪いを完全に取り去ることはできないけれども、
姫の15歳での死を、百年の眠りに変え。
姫だけではなく、城全体を百年の眠りにつかせることに。
これって、なんか非常に示唆的な気がします。
思わず人を傷つけた言葉を、取り消すことはできないけれども、
なんとか傷を軽くするために、言葉を重ねるってことは、
日常的によくありますよね。
ごめんねー、そういうつもりじゃなくて、こうこうだったのよー、って。
言葉によって深く傷ついたときは、
心を眠らせて、傷が癒えるのを待つしかないとか、
(心の傷を癒すのは、時間という薬だけだとも)
まあ、そういう読み方をしてしまう45歳。
ところで、ダニエル・キイスの『眠り姫』、お読みになりましたか?